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28 「(公社)日本動物園水族館協会(日動水)の総会に出席してきました!!」  2019年6月5日

 先月末の5月28日(火)、29日(水)の二日間、名古屋市内のホテルで開催された日動水の総会に出席してきました。
 総会には、日動水の総裁であります秋篠宮皇嗣殿下のご臨席も賜りました。

総会初日(5/28)
 午前中は、同協会に加盟している全国の148の動物園、水族館のうち113の園館長が一堂に会し、前年度の事業報告、
決算報告、今年度の事業計画、事業予算を審議・承認しました。

 また、午後からは、総裁である秋篠宮皇嗣殿下から『種の保全、動物福祉に尽力されることを期待するとともに、
この会において多くの意見交換がなされ、実りあるものになることを望みます』とのお言葉をいただきました。

 ほかに、環境省、農水省、経産省、厚労省、文化庁、水産庁の方々から来賓あいさつをいただきました。

 引き続き、「水族館との共同で進める鯨類繁殖生物学研究」と題し、三重大学大学院の吉岡教授の記念講演をいただきました。
 吉岡先生からは、「イルカは『種』『個体群』『個体』『海生保護動物の理解』が千差万別であることから、イルカのことは
わからないよ(研究し尽くされていない)」とのことでした。
 しかし、今後とも、鯨類の繁殖研究を進めるとの力強い言葉がありました。

 次に日動水の安全対策委員会安全対策部長の坂本さんから、飼育していくうえでヒューマンエラーをいかに少なくするかについて、
実際にあった事例をもとに分析、対応、現状について、お話をいただきました。
 ひとつの大事故の陰には29件の軽傷と300の事故とは言えない「ヒヤッ」としたことがあるといわれています。
 この事例を肝に銘じ、日々の安全対策の重要性を感じました。

総会2日目(5/29)
 日動水会長から、仙台市八木山動物公園への技術研究表彰受賞があり、表彰式に引き続き、同園の宗内獣医師から
「鉄過剰症が疑われたヒガシクロサイの治療例」についての研究発表がありました。

 そして、「日本の動物園水族館の『価値』と『評価』のあり方について」と題し、神奈川大学法学部の諸坂(もろさか)准教授からの講演がありました。
 ここでは、着任間もない私が、座長として講演を仕切ることになりました。

 じつは、4月早々、今回の総会開催館である中部ブロックの名古屋港水族館長から講演座長の依頼を受けました。
 話を伺ったら、なんと、殿下の前での座長ということで、最初は固辞していたのですが、「ぜひ、やってほしい」ということで、
秋篠宮皇嗣殿下の前で、緊張感満載の中、なんとか無事終えることができ、ほっとしました。

 そして、午後は、今年の総会開催園館である名古屋港水族館を視察してきました。

 名古屋港水族館は、たいへん大きな水族館です。
 平成29年度の入込客数は222万人を超える日本でもトップクラスの水族館です。
 平成4年(1992年)にオープンした南館と平成13年(2001年)に完成した北館のふたつの施設からできています。

 南館の展示テーマは「南極への旅」です。
 名古屋を出発し南極に至る地球を縦断する旅の中で出会うさまざまな海の環境に住む生きものを飼育展示しています。
 また、北館の展示テーマは「35億年はるかなる旅〜ふたたび海へもどった動物たち〜」で、海洋の生活者であるクジラの世界を、
さまざまな手法を用いて紹介しています。

 同館を視察させていただきながら、魅力的な展示方法、水槽の綺麗さ、美しさ、そして、ここで働いている方々が
活きいきと仕事をしている様子など、勉強させていただくことが、たくさんありました。

 私にとって、今回の名古屋での2日間は、非常に有意義なものでした。
 まだまだ新米園長ですが、今後の動物園での取組みに活かしていきたいと思いました。

追記
 総会中の殿下の写真撮影は全面的に禁止されていましたので、ブログにはアップできませんでした。ご了承ください。
 二日目、殿下が名古屋港水族館をご視察の折、たまたま、お見かけすることができ、遠くからでしたが、お見送りの方々と一緒に、
殿下の写真を撮ることができました。

総会の写真 総会の写真 総会の写真
      <総会の案内板>             <会場内の案内板>          <ご来賓の方々>

取材の様子の写真 水族館内の展示の写真 水族館内の展示の写真
<総会には多くの取材陣がかけつけた>     <水族館内の展示物>       <大きな水槽内を泳ぐ魚たち>

取材の様子の写真 水族館内の展示の写真
 <シャチ公開トレーニングの様子>  <ご視察を終えられた秋篠宮皇嗣殿下>

(いしかわ動物園長 松島 いちとみ)



27 「トキのつがいにヒナが・・・」 2019年5月16日

 初めての10連休、みなさまはいかがお過ごしでしたか?
ある調査によると、10連休をすべてとれた方は44.3%。
逆に、1日も休めなかった方も4.2%(まさにスーパーゴールデンワークでしたね(笑))おられたそうです。
また、10連休で何が一番疲れたかの問に、主婦の48.2%が家事、会社員の24.8%が仕事だったそうです。
いずれにしましても、お疲れ様のスーパーゴールデンウィークでしたね。

 当動物園では、4/27(土)から5/6(月)までの10日間で61,150人のお客様にお越しいただきました。
ありがとうございました。
連休の前半に雨模様の日があったことから、前半は、客足も伸び悩みましたが、連休後半は、お天気も良くなり、なんとか盛り返しました。

 さて、連休も終わり、動物園では、幼稚園・保育所、小中学校の遠足などで賑わっています。

 こうした中、5/14の休園日、トキ里山館で公開しているトキの巣に、生後10日足らずのヒナを入れました。
実は、5/12に1羽入れたのですが、うまくエサを食べてくれなかったことから、その個体を引き上げ、新たなヒナ2羽を入れることとしました。

 さっそく飼育員がケージの中に入ると、オスのトキは、警戒する声を発しながら上空を旋回していました。
巣にヒナを2羽入れ、飼育員が立ち去った後、しばらく、観察ルームで様子をうかがっていると、オスのトキは何事もなかったように巣に舞い降りました。

 そして、ヒナがオスに対し、盛んにくちばしを突くと、オスのトキは、戻した食べ物を口移しでヒナに与えていました。
私は、しばらく、感動でその場を離れることができませんでした。
全く血縁関係のない個体同士でも、親子の情愛があるのか・・・と。
それは、きっと種をまもる本能なのかもしれないのでは?と思いました。

 トキは、巣立ちに約40日、大人と同じ大きさになるのに約10か月かかるそうです。
これから、2羽のヒナの成長に眼が離せません。

トキの写真 トキの写真 トキの写真
     <巣に入れた2羽のヒナ>        <そっと巣の中に入れます>           <エサを催促するヒナ>

あべさんとの写真 あべさんとの写真 あべさんとの写真
  <吐き戻したエサを与える様子1>    <吐き戻したエサを与える様子2>          <元気に育ってね>

(いしかわ動物園長 松島 いちとみ)



26 「レッドウィーク中!!」 2019年5月6日

 4月27日(土)から、10連休が始まっていますね。
祝日が続くため、カレンダーの数字はずっと赤色。
ゴールデンというよりレッドウィークですね。
みなさまは、いかがお過ごしですか?
10連休、何をしようかな?
テレビも飽きたし、レンタルビデオもなぁ・・・と思ってらっしゃる方へ。

 お天気もいいので、こんなときは、動物園に、ぜひ、足を運んでみては?
先日は、1時間前には、「長岡」ナンバーのお客様がお待ちでした。

 動物園では、毎日、たくさんのイベントを行ってきました。
最終日も、とっておきのイベントを準備していますよ。

5月6日(月) ミステリーツアー(11:30〜/14:20〜、出発はエントランス広場と大型休憩所)

このほか、
○ ウサギとのふれあいタイム/ふれあいひろば/
 @11:30〜12:00、A13:30〜14:30
○ 屋台村の開設や着ぐるみも登場します!

 ちなみに、動物園を一回りすると1.2キロあります。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、おかあさん、軽い運動にもなりますよ。
ぜひ、お孫さんやお子さんを連れて遊びに来てください。

  どっきり・ガイドで登場したイヌワシの写真     ハイハイレースの写真
  <どっきり・ガイドで登場したイヌワシ>     <大賑わいだったハイハイレース>

  本物のヒツジの毛でヒツジを作っている写真     園内各所に設置した「令和」パネルの写真
<ヒツジの毛を使った「もこもこモコ工房」>   <園内各所に設置した「令和」パネル>

 (いしかわ動物園長 松島 いちとみ)



25 「アシカ・アザラシたちのうみ リニューアルオープン!!」 2019年5月4日

 4月20日(土)、いしかわ動物園の入り口からすぐ見える「アシカ・アザラシのうみ」がリニューアルオープンしました。

 工事は、昨年12月から始まり、3月末に完成しました。
主な改修は、
  @ これまで、水槽の正面から1.5mの場所にあった手すりを撤去しました。
  A 水槽正面右側にあった擬岩(ぎがん)を撤去し、ガラス化しました。
  B また、ステージを見やすくするため、水槽内やステージにあった擬岩を撤去しました。
  C プールの背後地からも「お食事タイム」やアシカやアザラシの姿が見られるように、視点場を設置しました。

 オープン記念式典では、知事さんから「いしかわ動物園は、今年20周年を迎え、皆様方に喜んでいただくよう、取組んでいきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いします」とのお話がありました。

 このほか、衆議院議員の佐々木紀様、石川県議会議長の作野広昭様、能美市長の井出敏朗様から、あたたかいお祝いのお言葉をいただきました。
また、地元の能美市立福岡保育園の年長の園児さん方から、お祝いの歌2曲の披露がありました。

 そして、最後に来賓の皆様方のテープカットで、お待ちいただいていたお客様方にも、ご覧いただきました。
子どもたちからは「あっ、こんなに近くアシカが見れるわ〜。目がかわいい〜」と歓声が上がっていました。

 プールには、カリフォルニアアシカのクー(お父さん)21歳、ショコラ(お母さん)17歳。
そして、去年の8月に生まれた子ども(現在、名前を募集中(4/20〜5/19)です。6月には、ご応募いただいた中から決定します)のほか、ゴマフアザラシ2頭も元気に泳いでいます。

 見やすくなったプール、ぜひ、ご覧ください。お待ちしています。

  アシカを間近で観察する子どもたちの写真     谷本知事に近づいてきたアシカの写真
     <アシカを間近で観察>            <谷本知事に近づいてきたアシカの「クー」>

  背後地からアシカのプールを眺めているの写真     テープカットの写真
  <背後地からアシカのプールを眺める>            <テープカット>

 (いしかわ動物園長 松島 いちとみ)



24 「新しい○○○が仲間入り!!」 2019年4月18日


  ご愛読の皆様方、園長の松島でございます。
 先日、当園に新しい動物が仲間入りしました。
 それは、メスのアミメキリンで、名前は「アイ」です。
 身長は約280p、体重は400`です。

 彼女は、1歳と5か月。生れは多摩動物公園です。
 でも、いしかわ動物園とは、めちゃくちゃ縁の深い仔です。 といいますのは、彼女のおじいちゃん(ジェブ)とおばあちゃん(イザベル)は当園のキリンで、その孫に当たります。

 いわば、おじいちゃん、おばあちゃんの里に里帰りしたことになります。
 元気に育ってほしいと願っています。

 さて、前日の午後4時30分に多摩動物公園を、搬送用トラックで出発。 関越道・北陸道を経由し、翌朝の7時30分に到着しました。 北陸新幹線なら、約2時間半の距離ですが、総走行距離550キロ、15時間の長旅でした。

 到着後、8時30分から作業開始しました。
 キリンの入っているケージの吊り下げ作業の準備が完了後、16トン重機で、ゆっくり、慎重に釣り上げられたケージは無事、 キリン舎の出入口に横付けすることができました。作業にあたった職員も、みんな、ほっとした様子でした。

 そして、覆っていた板を外すと、中から可愛い眼をした「アイ」が顔をのぞかせました。 そして、長旅の疲れも見せず、さっそく餌の「シラカシ」をムシャムシャ食べ始めました。

 ところが、ケージの中がいいのか、キリン舎になかなか、移動しません。
 職員が、こちらから「アイちゃ〜ん」と声をかけたり、餌を振ってみたり。
 そして、11時45分、ようやくキリン舎に入ることができました。

 皆さん、お待ちかねの一般公開は、夏休み前を目指しています。
 もうすこし、待ってください。お願いします。


  重機で釣り上げている写真     キリン舎に横付けしている写真
     <重機で釣り上げ中>        <慎重にキリン舎に横付け>


  ケージから外の様子を見ているアイの写真     ゆっくりと出てきたアイの写真
<ケージから外の様子を見ているアイ>   <ゆっくりと出てきたアイ>


(いしかわ動物園長 松島 いちとみ)



23 「『やきもの』から再びの『いきもの』へ」 2019年4月8日


  ご愛読の皆様方、はじめまして。
 平成31年4月1日から、前任の美馬園長から引き継ぎを受け、園長をさせていただくことになりました松島と申します。 皆様方には、今後とも、動物園ともども、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 これまでは、同じ能美市にあります「県立九谷焼技術研修所」で、4年間、本県の伝統産業のひとつである「九谷焼」の担い手を育成する仕事などをしてまいりました。

 九谷焼は、360年以上(明暦元年 1655年開窯)の歴史があり、いろいろな技法があります。 そして、その中身は、幅が広く奥が深く、私のような凡人には、なかなか理解できる相手ではありませんでした。
 しかし、唯一、わかったことは、九谷焼に関わる方々は、「土」「水」「火」「風」の4つの神様(人知の及ばない世界)に対し、 神聖な気持ちで対峙しておられるということでした。

 このような九谷焼を実際に見ることができるところがあります。それは、九谷陶芸村というところで、 いしかわ動物園からは、車で5,6分の場所にあります。お帰りの際に、お立ち寄りいただき、九谷焼のことを知っていただければ、幸いに存じます。

 さて、表題に『再びの「いきもの」』と書かせていただきました。
 といいますのは、研修所の前は、2年間、「のとじま水族館」で館長をさせていただきました。「再び」と書かせていただいたのは、そのためです。

 水族館では、お客様に楽しんでいただくイベントとして「夜の水族館」「年末カウントダウン」「水中成人式」「こたつde水族館」など、いろいろ取り組んできました。

 水族から動物へと「いきもの」は変わりましたが、ご来園されるお客様には、「楽しく遊べ、学べる動物園」をテーマに、

 気が付いたら、みんな笑顔になっとったがいね。
 また、家族みんなで一緒に、動物園に来んかいね。

といわれる動物園にしていきたいと思います。

 私の好きな言葉に聖徳太子の「和をもって尊しとなす」があります。 動物園の皆さん方と一緒に「和」を大事に、ご来園のお客様に『笑顔』になっていただける動物園にしていきたいと思います。

 初めてのことで、途惑っていますが、一生懸命頑張っていきたいと思います。 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。


 《いしかわ動物園長 松島一富(いちとみ)》



22 「退職します。10年間、本当にありがとうございました。」 2019年3月31日


 公害と自然破壊が大きな社会問題となっていた大学時代に、自然保護を一生の仕事にしたいと考え、
昭和48年にできたばかりの環境庁に一日だけ入って、石川県庁に就職しました。
山も海も一級品がある石川県で、36年間、自然保護行政一筋に、思う存分やらせてもらいました。

 その後、トキが縁となって異動して来た動物園ですが、つながっている仕事だと思えました。
本当にいろいろなことがおこり、10年間があっという間に過ぎました。自分なりに一生懸命やってきました。
忙しかったが楽しく、トキだけでなく、ライチョウの公開まで見届けることができて、大変うれしく思っています。
46年間、恵まれた仕事人生でした。これまで出会ったたくさんの方々に感謝でいっぱいです。

 動物園での10年間を振り返ってみると、動物園を取り巻く情勢には様々な変化がありました。
就任当時は、トキの分散飼育に代表される「種の保全」の推進が最大の課題でした。
トキだけでなく、イヌワシ、ライチョウと、地域にゆかりの深い希少種保全に全力で取り組んできました。
コビトカバなど世界の希少種の繁殖にも、もちろん力を注ぎました。

 そして近年、「動物福祉の向上」がクローズアップされ、世界的に大きな課題となっています。
飼育展示している動物たちが、より一層幸せに暮らしていけるように、具体的な工夫や取り組みを積極的に進めてきました。

 でも、本物に出会って、感動し、動物が大好きになって欲しいという願いは不変です。
動物園は、不思議を感じ、学べる素敵な場所です。みんな笑顔で、幸せな時間が流れています。
動物や自然が大好きな子どもたちがいっぱいになるように、そして、動物園があって良かったと言ってもらえるように、
これからも、いしかわ動物園は、がんばっていってくれると信じています。
みなさん、これからも、いしかわ動物園をどうぞよろしくお願いします。


白山での写真 七ツ島での写真
   <白山で>          <七ツ島で>


夕日寺健民自然園での写真 いしかわ動物園での写真
 <夕日寺健民自然園で>   <いしかわ動物園で>


 (園長 美馬秀夫)



21 「ライチョウの公開」   2019年3月25日


 3月15日から、ライチョウの公開がはじまりました。ぜひ、「ライチョウの峰」で本物のライチョウに会ってください。
そして、本物こそが伝えられるメッセージを聞き取ってください。
目の前の姿だけでなく、高山の厳しい自然の中で生きるライチョウのことにも思いをはせてください。

 「高山に棲む神の鳥・ライチョウ」は、古くは白山の鳥として知られていました。
2009年に約70年ぶりに白山で発見されたライチョウは、2016年まで8年間も生き続けました。
このことがきっかけとなり、いしかわ動物園では、2010年から近縁種のスバールバルライチョウの飼育繁殖を続けてきましたが、
2018年に日本のライチョウ3羽を成育させることができました。トキに続いてライチョウの保全にも、全力で取り組んでいきます。

 「絶えそうな命を、絶やさず未来につなぐ」、これは、動物園の大事な役割の一つです。
いしかわ動物園が、石川県にゆかりの深いトキとライチョウの「種の保全」に貢献できたことは、大変誇らしくありがたいことです。

 動物園の活動が、トキやライチョウを守ると共に、これら希少種を大切に考えるファンを増やし、
彼らが生き続けることができる豊かな環境の保全に繋がっていくことを夢見ています。

 ライチョウの取り組みに関しては、環境省、富山市ファミリーパーク、上野動物園、大町山岳博物館、那須どうぶつ王国など、
関係の方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。


ライチョウの写真 ライチョウの写真
<夏羽に変わりだしたライチョウ>  <「ライチョウの世界」ミニ展示>


「ライチョウの峰」入り口の写真 ライチョウのモニュメントの前で記念写真の写真
  <「ライチョウの峰」入り口>  <ライチョウのモニュメントの前で記念写真>


 (園長 美馬秀夫)



S 「佐渡トキ野生復帰10周年記念式典で」   2018年11月9日


 「佐渡トキ野生復帰10周年記念式典」が10月14〜15日に開催され、
出席してきました。
いしかわ動物園は、2010年1月にトキの分散飼育を開始しました。
それから9回の繁殖期で62羽のトキを巣立たせ、 60羽を佐渡へ送り、
そのうち42羽が佐渡の空に放鳥されました。
この42羽目のトキは、10月15日の放鳥式で、 私と地元小学生の二人で
放鳥箱のリボンを切って放鳥をさせていただきました。
大空にしっかり飛び立っていくのを壇上で見送りながら、
とてもうれしく晴れやかな気持ちになりました。

トキ放鳥式の写真
<トキ放鳥式:右から3人目が眞子内親王殿下>

トキ放鳥式の写真2
<右から順に、花角新潟県知事、
小宮輝之トキ飼育繁殖小委員会座長(元上野動物園園長)、
美馬、磯田長岡市長>

トキ放鳥式の写真3
<放鳥後、関係者一同で記念撮影>

 佐渡では、2008年からこれまでに19回で327羽のトキを放鳥し、
2012年からは毎年野外での繁殖も成功し、今では約370羽のトキが生息しています。
2018年6月、環境省は、佐渡でのトキ定着220羽の目標を達成したと発表しました。
トキと共に暮らすのだという佐渡の多くの人たちの努力があって、
佐渡ではトキの復活に成功したのです。
その成功に、いしかわ動物園が貢献できたことは、大変誇らしくありがたいことです。

 レセプションでは、眞子さまにトキ里山館のことなどを
お話しする機会をいただきました。
また、大変お世話になった多くの方々にもお会いし、これまでの御礼と共に、
当園の近況など様々なお話しをすることができました。
実は、この佐渡行きは、トキに生涯を捧げられた村本義雄さん
(日本中国朱鷺保護協会名誉会長、石川県羽咋市在住)と同行しました。
93歳とはとても思えないお元気な村本さんから、
いっぱいお話を伺うことができて大変貴重な機会でした。

加藤登紀子さんとの写真
<加藤登紀子さん(元佐渡トキ環境親善大使)と一緒に。
右:村本義雄さん、左:美馬>


これからも、トキにゆかりの深い石川県の動物園として、
トキの復活と普及啓発に努力を続けていきます。



                      (園長 美馬秀夫)






R 「2017年も走り続けた良い年だった」  2017年12月28日

 2017年は、トキ里山館がオープンし、トキたちのドラマを見ていただく年でした。
ハラハラドキドキでしたが、37万人を超える方々に本物のトキに出会っていただくことができました。
そして、コビトカバのミライの成長も応援していただきました。
他にも、新しい出来事がたくさんあって、忙しく駆け抜けた1年でした。


1 新しい仲間たち −ホワイトタイガー、バイカルアザラシ、キリンのペア−
 ホワイトタイガーのクラウン(3歳♂)が群馬サファリパークから来園し、7月に北陸初の展示公開となりました。
公開後すぐに始まったナイトズーでも、堂々とした姿で一躍人気ものになりました。
秋に初めて実施した「いしかわ動物園・イケメンコンテスト」では、ぶっちぎりで第1位に輝きました。
 また、バイカルアザラシ3頭(0歳♂1♀2)が、永年の国際交流のおかげでイルクーツク州から寄贈され、
10月の公開から、活発で愛らしい姿が人気を呼びました。
11月にはイルクーツク州知事の来園もありました。
他にも、2月に動物学習センターにエボシカメレオンが初公開となりました。

 この他にも、新しい仲間入りがありました。
特にうれしかったのは、キリンの若いカップルの仲間入りです。
開園以来、アフリカの草原の展示を背負ってきてくれたキリンのイザベルとジェブが、
1月と9月にあいついで亡くなりました。
この跡を継ぐ若いカップルとして、5月に横浜市立金沢動物園からジャンプ(1歳♂)が、
10月に埼玉県こども動物自然公園からマリ(1歳♀)が入園したのです。
マリは、ジェブとイザベルの孫に当たります。
元気に大きくなって、次世代ペアとして種の保全に貢献していって欲しいと願っています。  

クラウンと私の写真 ジャンプとマリの写真
<ホワイトタイガーのクラウンと私(2017.8)> <ジャンプ(奥)とマリ(前)(2017.12)>


2 うれしかった繁殖
 うれしい繁殖が続きました。サルたちの森では、6月にリスザル、7月にワオキツネザルの赤ちゃんが誕生しました。
6月には、グレビーシマウマの赤ちゃんも誕生しました。
胸元にハートマークのあるメスで、愛称募集の結果「ココロ」いう名前がつきました。
ぜひともハートマークを見たいというお客様が多く、人気者となりました。
南米の森では、オニオオハシの繁殖に成功しました。
巣箱の設置からさまざまな試行錯誤を経て、5年がかりで自然ふ化に成功したのです。これも大変うれしい繁殖でした。
9月には、エボシカメレオンの赤ちゃんが続々と生まれ、動物学習センターへの入場者も増えました。
他にも、マゼランペンギン、マーラ、オオカンガルー、モルモットなどの赤ちゃんが誕生しました。
 また、コビトカバのミライは、すくすく成長し、12月23日に1歳の誕生会を行いました。
誕生時5.2kgだった体は、1年間で70kgを越えるまでに成長しました。

ココロの写真 オニオオハシの写真
<グレビーシマウマのココロ(2017.8)><オニオオハシの幼鳥(2017.8)>

エボシカメレオンの写真 ミライの写真
<エボシカメレオンの赤ちゃん(2017.9)><コビトカバのミライ1歳の誕生会(2017,12,23)>


3 2018年の楽しみ
 オランウータンのドーネが、11月14日に福岡から帰ってきました。
2015年7月7日に園を出てから約2年4か月ぶりの里帰りです。しかも、お腹の中には待望の赤ちゃんを宿して・・・・。
福岡市動物園のみなさまには、本当に長い間お世話になりました。
飼育スタッフの方々はもちろん、大勢の来園者の方々にもとても大切に思っていただき、
本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。
お届けいただいた心のこもったメッセージカードは、今も、観覧通路に掲示させていただいています。
出産予定は2018年2〜3月ころです。元気な赤ちゃんが生まれるように、最大限の努力をしていきます。
ドーネの母親教育も進めています。
 2018年は早々に、トラの第2パドックの整備工事が始まります。魅力的な新施設の来夏オープンをめざしていきます。
残念だったニホンライチョウについて、再チャレンジで成功を期すことも大きな課題です。

帰ってきたドーネの写真 メッセージの写真
   <帰ってきたドーネ(2017.12)>    <福岡市動物園から届いたメッセージ(2017.12)>


 また、年明けすぐに、「カピバラの露天風呂協定」の調印式を行うことになっています。
実は、大人気の「カピバラの露天風呂」を長年にわたって牽引されてきた伊豆シャボテン動物公園さんら4園国から
声をかけていただき、「カピバラの露天風呂協定」に新しく仲間入りすることになりました。
大変光栄なことと喜んでいます。今後より一層、カピバラ湯の魅力を磨いていきたいと思っています。

 さあ、2018年も多くの方々の力をいただいて、「楽しく、遊べ、学べる動物園」づくりを進めていくことができますように!


                 (園長 美馬秀夫)

Q 「トキ里山館が一周年」 2017年12月6日

 「トキ里山館」は、2016年11月19日にオープンしました。
それから1年がたち、37万人を越える方々に本物のトキに出会っていただくことができました。
I(アイ)ペアの巣作り、産卵、ふ化、ヒナの巣立ちと、一連の繁殖のドラマを見ていただくこともできました。
そして、残念な「みのり」の死亡・・・、いくつもの出来事が思い出されます。
 シニアの方々や県外からのお客様が増大するなど、動物園利用者層の変化も感じました。
環境省や県議会、佐渡市、能登の団体などなど、各所からの視察も相次ぎました。
また、当園のトキ里山館とトキの取り組みは、市民ZOOネットワークの「エンリッチメント大賞2017」の2次審査に残り、
大賞受賞には至らなかったものの高い評価を受けることができました。
12月2日には、表彰式の行われた東京大学農学部弥生講堂で、
「トキ里山館 いしかわ動物園のトキ分散飼育と公開」と題するポスター発表を行いました。  

トキの写真 トキの写真 トキの写真
<さまざまなドラマを見せてくれた>
左:繁殖期に入ったペア(2017.3)、中央:ペアと幼鳥の「みのり」(中)2017.7) 右:のぞき窓から観察する親子(2017.3)


 1周年記念イベントは、11月5日に、超売れっ子絵本作家で元旭山動物園飼育員のあべ弘士さんをお迎えして、
講演会とワークショップを開催しました。
あべさんの愉快なお話を聞いた後、あべさんと参加者が一緒に、トキがいっぱい羽ばたく大きなパネルを制作しました。
パネルは里山館の観覧通路に展示してあります。
「トキ里山館フォトコンテスト」の表彰式も行い、レベルの高い入賞作も観覧通路で展示しています。
表彰式では、羽咋市の宮本光子さんに「朱鷺之歌」を歌っていただきました。
あべさん、宮本さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。
 また、東京銀座の石川県のアンテナショップである「いしかわ百万石物語*江戸本店」でも、
時期を合わせて「トキ里山館と能美市フェア」が開催され、首都圏でのPRも実施しました。

あべさんとの写真 あべさんとの写真 あべさんとの写真
<あべ弘士さんと一緒に、楽しく作品づくり(2017.11/5)>


トキの写真
<トキ里山館フォトコンテスト最優秀作品「滑空」(坂下智宏さん撮影)>


 動物園に最も近い地元の能美市立和気小学校の6年生37名が、
辻校長や荒木先生の指導の下、トキの学習を精力的に行ってくれました。
春からトキ里山館に通い、修学旅行では、羽咋市でトキ博士の村本義雄さんの話を聞き、
トキを通して「人間と動物の共生」を熱心に学習しました。
その集大成として11月に、児童たち自身による創作劇をつくり、発表してくれました。
タイムマシンに乗ってトキの絶滅の歴史を振り返り、現代に戻った子どもたちがトキとの共生の大切さに気づくというストーリーで、
ビックリするほどレベルの高いすばらしい作品でした。
 和気小学校は、「地域に学ぶ 和気っ子」として、各学年での総合学習が高く評価され、
「エコギフト」大賞を受賞することになりました。おめでとう!そして、ありがとう!
 私は、かねてから、「地域の方々と一緒に活動し、動物や自然が大好きな子どもたちをいっぱいにしたい」という願いをもっています。
まさに、この願いを叶えてくれるうれしい出来事でした。
(※:特に優れた環境保全活動を行っている学校・地域に対し、環境教育教材や、
これからの活動に必要な機材などを「エコギフト」として贈呈し、がんばる学校や地域を応援する石川県の顕彰制度。)

和気小学校の写真
<創作劇「人間と動物の共生」(和気小学校6年生、2017.11/7)>

トキの写真
<雪の中のI(アイ)ペアのトキ(2017.12)>

 今、雪の中で、美しい羽色となったトキが元気に過ごしています。
さあ、トキ里山館の2年目が始まっています。


                             (園長 美馬秀夫)

P 「バイカル湖からの使者」 2017年11月17日

 バイカル湖の氷の下で、今年2月に生まれたバイカルアザラシ3頭が、
9月25日にいしかわ動物園にやってきました。
石川県が、長年にわたって交流を続けているイルクーツク州から寄贈されたものです。
バイカル湖の水温に合わせた水槽にも慣れて、10月7日に公開され、
体長60cm体重20kgの丸っこい活動的な姿が人気者になっています。
 このかわいいアザラシたちの展示を通して、多くの方々に「シベリアの真珠」と呼ばれる
バイカル湖の自然に思いをはせてもらいたいと願っています。
園で展示している動物は、来園者とその動物のふるさとをつなぐ「使者」なのです。
今、愛称を募集中で、ロシアにちなんだ名前も候補になっています。
どんな名前をつけてもらうか楽しみです。
将来は、日本でまだ一例しかない繁殖成功を、ぜひ実現したいと思っています。  

バイカルアザラシの写真
<3頭のバイカルアザラシ>


 11月11日には、イルクーツク州のレフチェンコ知事夫妻一行が来園され、
オスのアザラシに「バイカル」という名前をつけていただきました。
動物が大好きだというご夫妻は、仲良く手をつないで、興味津々で、園内を一巡されました。
できたばかりのシマウマの「ココロ」の顔出し看板で、写真撮影もしていただきました。
このたびは、バイカルアザラシを寄贈していただき、本当にありがとうございました。
みんなで大切に育てていきます。


夫妻の写真 看板の写真
<左の写真:子どもたちの歓迎に笑顔のレフチェンコ知事夫妻 、右の写真:顔出し看板で仲良く>



 若い3頭のバイカルアザラシの水槽前には、今日も多くの人が訪れています。
そこに立つと、私も20年以上前に訪れたバイカル湖での思い出がよみがえってきます。
バイカル湖のど真ん中でバケツをたらし、水をくんで飲みました。
湖の広大さ、透明度の高さ、古代湖のロマン・・・・、そこそこ若かった日の写真を載せました。


横断の写真 鉄道の写真 乗馬の写真
<左:1995年夏、この船でバイカル湖を横断><中央:シベリア鉄道、急行ロシア号><右:ブリヤート人の暮らしに馬は切り離せない>


                               
  (園長 美馬秀夫)



O 「トキとコビトカバ、2016年も良い年だった」 2016年12月28日

 いよいよ今年も、今日が最後の開園日。今年は、何と言っても「トキ里山館」のオープンの年でした。
そして、最後の最後に飛び込んできたビッグプレゼントは、待望のコビトカバの赤ちゃん誕生。
6歳になったばかりの若いペアのお手柄です。本当にうれしい年になりました。
 新しい年には、ぜひ、トキとコビトカバに会いに来て下さい! (コビトカバの赤ちゃんの公開は、未定ですが・・・)


1 トキ里山館のオープンから

 11月19日の公開から時間が経過するにつれ、トキたちも落ち着いてきました。
今では見学者の目の前でエサを採ったり、目の前の止まり木で羽づくろいしたりするようになりました。
12月15日には、エサ池前のネット下部をとりはずしたので、ドジョウを追いかけて食べる様子を
間近ですっきりと見られるようになりました。また、いつもの年より早く、オスメスの仲のよい様子や、
体を婚姻色に染める行動が見られ始めています。比較的穏やかな天候に恵まれたこともあり、
この季節としては過去最高となるような多くの方々にご来園いただくことができました。
間近で本物を見て感激していただき、トキの魅力と大切さを感じ取っていただけたことが大変うれしいです。
 さあ、トキたちは、これからどんなドラマを見せてくれるでしょうか?
もちろん心配もありますが、楽しみでもあります。はらはら、どきどきです。

トキの写真1 トキの写真2
<左の写真:黒く染まりだしたトキ、  右の写真:エサ池でドジョウを捕るトキ>


2 最後に大きなプレゼント! コビトカバの赤ちゃん!

 出産予定日は特定できていました。エコー検査で妊娠の様子が順調なことも確認できていました。
妊娠期間190〜200日で、出産予定日は12/12〜12/22でした。
連日、そわそわしながら過ごしてきたのですが、いよいよ今日の様子はいつもと違う。
今晩は怪しいと備えた中で、12月23日の夜8時10分に生まれました。母子共に元気、母乳も飲みました。
初産のノゾミですが、赤ちゃんを守るそぶりも見せ、頼もしいお母さんぶりです。
世界中の動物園とタッグを組んで生まれた、新しい命です。本当にうれしい誕生です。
大切に見守り、育て上げていきたいと思います。

コビトカバの写真 コビトカバの写真2
  <左の写真:コビトカバの赤ちゃん 、 右の写真:コビトカバの母子>


3 地域の方々ともっと一緒に
 地域の方々と一緒にできることが増えた1年でもありました。
ナイトズー応援のウルトラアートや動物園応援バンドのズービックさんの活動などは、
更にパワーアップしてすばらしいものにしていただき感謝です。
 はじめての「ファン感謝デー」では、「楽しかったよ〜、また来年も待ってるよ〜」
という声を聞かせていただき、うれしかったです。
ファンクラブ会員(年間パスポート所持者)限定で、休園日の9月13日に開催したのですが、
アフリカの草原とライオンの展示場に、特別に入ってもらいました。
お菓子を並べた園長室にも入っていただきました。
これからも、ファンの方々に感謝して、ファンの方々の声を聞きながら、魅力アップしていきたいと考えています。
 もう一つ新しい試みで、「特製堆肥で地域連携プロジェクト」も始めることができました。
園内の動物たちの糞や敷きわらは、開園以来全て堆肥に加工しています。エコ動物園たる理由の一つです。
堆肥は、希望された保育園の他、春と秋のふれあいまつりでは来園者にプレゼントしています。好評です。
また、青草の畑にこの堆肥を入れて、ゾウさんたちにおいしい草を納入してもらうという循環が形成できています。
今年からは、能美市農業振興協議会さんと連携して、
この堆肥をモチ米と特産の国造ユズの育成に使用していただくことになりました。
モチ米は、秋のふれあいまつりの餅つきに提供していただきました。
国造ユズは、カピバラ湯のゆず湯に登場します。
地域と動物園がPRして、互いに一層元気になっていこうと願っています。

ライチョウの写真1 ライチョウの写真2
<左の写真:冬至のカピバラゆず湯 、 右の写真:恒例のもちつき>


 その他にも、今年はシロフクロウ登場、サル舎とシロフクロウ舎のガラス化、「モルモットの行進」のスタートなど、
展示の充実でも成果のあった1年だったと思います。
また、キリンの寝室増築工事を進めることができ、H29年春完成のめどが立ってきました。
これで、長年の懸案であったキリンの次世代ペアを確保することができるようになり、
キリンの種の保存に貢献していける環境が整います。
 一方、残念だったのは、バイカルアザラシのラムとミハイルの死亡です。
ラム(メス31歳、2/13死亡)は、赤ちゃんを死産したあとに死亡してしまいました。
いしかわ動物園で初めての繁殖例でした。
繁殖能力を証明したミハイル(オス24歳、12/8死亡)も、後を追うように12月に死亡し、
残されたのはクリ1頭(メス32歳)となってしまいました。


トキの写真 イヌワシの写真2 ライチョウの写真2
  <写真左:シロフクロウのペア、 写真中央:ブラッザモンキーと「こんにちは」、 写真右:モルモットの行進>


 さあ、来年はどんな年になるでしょうか?
新しい夢をたくさん見つけ、より一層楽しい動物園になっていきたいと思っています。
みなさま、どうぞ、楽しい動物園で、笑顔になってください。

                                  (園長 美馬秀夫)




N 「“トキ里山館”オープン」     2016年11月30日


 2016年11月19日、念願の「トキ里山館」がオープンしました。
2010年1月の分散飼育開始から7年目に、いよいよ本物のトキを見ていただけるようになりました。
ぜひ、たくさんの方々に、「トキ里山館」で本物のトキに出会ってほしいと願っています。


トキ里山館の外観の写真 止まり木のトキを間近に観察の写真
     <トキ里山館の外観>          <止まり木のトキを間近に観察>


 トキ里山館のケージは、直径27mの六角形で中央に柱のない開放的な空間で、
餌場となる湿地や棚田状の地形などトキが棲む里山を再現しています。
大きな観覧窓や覗き窓から、美しいトキ色の羽、鋭いまなざし、力強い飛翔など、
間近でトキの姿を見るチャンスがあります。じっくりと時間をかけて観察し、写真撮影をしたり、
解説員に質問したり、入館者の滞在時間が予想以上に長いことに驚いています。
また、併設の学習展示コーナーでは、トキの本物の羽に触れたり、
トキの歴史や佐渡での野生復帰の状況を学ぶなど、
観察と学習を一体的に行うことができる施設となっています。
トキに変身して写真を撮るコーナーやクイズも人気です。
「昔トキを見たことがあり、公開を待っていた。」という能登の方や、県外からの来園者も多く、
特にシニア層の来園が増加しています。シニアの年間パスポートを買い求める方も増えました。
入園して、まっすぐに里山館へ向かう方々も多いです。


三面の大きなガラス窓からの観察の写真 学習展示コーナーの体験型展示の写真
  <3面の大きなガラス窓から観察>  <学習展示コーナーには体験型展示も>


 トキ里山館で本物のトキにあって、本物こそが伝えられるトキからのメッセージを聞き取って欲しいと思っています。
目の前のトキの姿だけでなく、野生下で生きるトキたちのことや、トキを保護する重要性、
トキを育む環境づくりの大切さについても、一人一人に考えてもらえたら本当にうれしい。
「トキ里山館」が自然との共生を学べる拠点に育ち、再びトキが舞うような豊かな環境の保全に繋がっていくことを夢見ています。
 トキ里山館の観覧通路の入り口と出口に、「トキからのメッセージ」を掲示しました。


 ぜひ、トキからのメッセージに耳を傾けて下さい。


あべひろしさんとの写真
<素敵なモニュメントの作者、あべ弘士さん
(旭山動物園飼育員25年を経て超有名絵本作家)と記念写真。
トキ里山館では、パンフレットもサイン類も、あべさんにデザインをお願いしました。
あべさん、応援していただき本当にありがとうございました。>


 いしかわ動物園のトキ復活の取組みは、実は2004年のトキ近縁種の飼育繁殖から始まっています。
これを含めれば、取り組み開始から13年がたちました。この間、動物園の仲間と共にがんばってきました。
長いようで、短かった13年でした。
 そして今日まで、本当に多くの方々にお世話になりました。 環境省や佐渡トキ保護センター、
分散飼育地などの皆さま、前上野動物園長の小宮さん、多摩動物公園の杉田さんを始め、
長い間一貫してご指導いただいた多くの方々、本当にありがとうございました。
これからも、トキの復活、トキの未来のために、何卒、ご指導ご協力をお願いいたします。


のぞき窓から目の前のトキと一緒にパチリの写真
<のぞき窓から目の前のトキと一緒にパチリ>


トキ里山館について、詳しくは下記を参照して下さい。
http://www.ishikawazoo.jp/guide/animal/japanese_ibis_satoyama.html
http://www.ishikawazoo.jp/guide/animal/pdf/satoyama-pamph.pdf


(園長 美馬秀夫)


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M 「“ツルとカメの新展示場”オープン、めでたい年!」
                        2015年12月10日
   

 今年も残りわずかになりました。比較的穏やかな日が続き、何かと助かります。
 今年は、いしかわ動物園にとって、新しいチャレンジができた良い年だったと思います。
 特に、「ツルとカメの新展示場」が春と秋にオープンするという、なんともめでたい年でした。


○ ツルとカメの新展示場、めでたくオープン

「ツルたちの水辺」が3月20日に、「カメたちの広場」が9月19日にオープンしました。小規模な施設ですが、
オープンまでどちらもそれぞれに苦労がありました。ツルもカメも逃げ出したり、経費の工面もなかなか大変でした。
多くの方々のご協力のおかげで、なんとか無事にオープンでき、ご来園の皆様に喜んでいただくことができて、
うれしさひとしおです。どちらも長寿のめでたい種です。これから、長い年月にわたって、親しまれる施設として
育てていきたいと考えています。
 そして、ツルたちの水辺の背後には、トキ施設がだんだんと立ち上がってきています。

トキの写真1 トキの写真2
      ツルたちの水辺             カメたちの広場


 ○ ぞくぞく新しく仲間入り  

 6月にアムールヒョウ(コロン、メス1歳、福山市立動物園から)が、8月にナマケモノ
(ブラン、オス2歳、神戸どうぶつ王国から)が、10月にアルパカ(ホップ、オス2歳、
神戸どうぶつ王国から)とグレビーシマウマ(キサラギ、オス8歳、富山市ファミリーパークから)が、
新しく仲間入りしました。新しい動物を迎えることは、本当にわくわくするうれしさです。
どの動物も、来園当初からそれぞれの個性をいかんなく発揮してくれています。これからもっともっと
活躍して欲しいと期待しています。頼むからなまけすぎないでという飼育担当者の声も聞こえてきます。
 一方、7月にオランウータンのドーネが福岡市動物園へお嫁入りしました。心配もしていたのですが、
とても元気に暮らしているようでうれしいです。 こういった動物の移動がスムーズに進むのは、関係の
園館さまのご協力、ご支援のおかげです。動物や動物園の未来を開いていくためには、動物園同士の
つながりと協力が今後ますます重要になってくると思います。

イヌワシの写真 イヌワシの写真2 イヌワシの写真2
   ナイトズーのアムールヒョウ             ナマケモノ               アルパカ


○ ベビーラッシュ

 今年は、6月以降、過去最高のベビーラシュでした。6月にカピバラ3つ子とシロテテナガザル(オスのルル)、
7月にマーラ(メスのナツ)とカリフォルニアアシカ(メスのココア)、8月にはブラッザモンキー(オスのローラー)と
レッサーパンダの双子(メス2頭)、9月にアミメキリン(オスのダイチ)が誕生し、成長しています。
すばらしい繁殖の成果です。動物園で働く者にとって一番うれしいことです。 一方で、シマウマのハッピー、
ポニーのノッチ、レッサーパンダのタンタンとの悲しい別れもありました。

ライチョウの写真1 ライチョウの写真2
レッサーパンダの双子の赤ちゃん          キリンのダイチと両親


 ○ 新しい試みも

 いしかわ動物園ファンクラブ会員(年間パスポート購入者)限定で、今年から新たに
「大人のための飼育体験(11月)」と「ズーカフェ(9月)」を始めました。会員の皆様と
一緒に育てていきたいと思っています。
 また、今年1月に、たいへん遅ればせながら公式フェイスブックを立ち上げました。
1年たって1000人を超える「いいね」をいただくことができました。

 これからも、さまざまな面で新しいチャレンジを続けていく「いしかわ動物園」でありたいと思います。

        
                                    (園長  美馬秀夫)



L 「開園15周年の1年をふりかえって」   2014年12月20日


 今冬は、早い積雪と荒れ模様の日が続き、動物園は静かな雰囲気です。
 2014(平成26)年は、いしかわ動物園が1999(平成11)年10月に能美市に開園して
15年目という節目の年で、6月には入園者500万人を達成することができました。
本当にありがとうございました。

野生のイヌワシの写真1
    入園者500万人達成


○ いしかわ動物園お気に入り総選挙

 開園15周年を記念して8月から9月にかけて「いしかわ動物園お気に入り総選挙」を
実施したところ、7,500人もの方々の投票をいただき、10月の秋のふれあいまつり期間中の
開園記念日に盛大に結果発表を行いました。初めて実施した総選挙でしたが、癒し系の
レッサーパンダが第1位でカピバラとペンギンが3位4位となり、猛獣のライオンが2位、
ユキヒョウとトラが5位6位、その後にゾウ、オランウータン、キリンが続くという少々
意外な結果となりました。癒しを求める動物園ファンが多いことなど様々なことがわかり、
この結果を今後の動物園運営に活かしていきたいと考えています。


 アニマルユッキー15種類の完成は、うれしい出来事でした。地元の九谷陶芸村の
やまぼうしレディースさんが、総選挙のベスト15種に選ばれたアニマルユッキーを作って
くださったのです。苦労の末に完成した15種は、すばらしい出来でした。総選挙の発表会で、
代表投票者の方々に副賞としてプレゼントして喜んでもらいました。実は、2体づつ作って
もらったのです。もう一体は、今、展示してみてもらっていますが、その後は、園長室の
お宝になる予定です。

イヌワシの巣の写真 イヌワシのひなの写真
  アニマルユッキーベスト15種          いしかわ動物園ガイドブック
イヌワシの巣の写真
                     ↑ お気に入り総選挙の結果



○ いしかわ動物園ガイドブック

 何か15周年で残るものをと企画したのが、ガイドブックです。かねてから作成したかったのですが、
なかなか取りかかれずにいたのです。今回、一気呵成に完成させることができました。
A5判48Pの小冊子ですが、なかなかいい出来だと自画自賛しています。エントランスの売店「ダン」で
販売中(400円)です。ぜひ、お手にとってみて下さい。


○ ベビーラッシュと新しい試み

今年も、たくさんの動物たちが誕生しました。13年ぶりのレッサーパンダの双子をはじめ、
リスザル、ブラッザーモンキー、ワオキツネザル、ミーアキャツト、そしてカピバラの四つ子の
赤ちゃんなど、ベビーラッシュでした。他にも、春にはアルダブラゾウガメの初公開、イヌワシが
間近に登場する保全ガイドの実施、秋にはワオキツネザルとホウシャガメの混合展示など、
新しい試みも始めました。


野生のイヌワシの写真1 野生のイヌワシの写真1
    イヌワシの保全ガイド              カピバラの4つ子



今後も、さらに魅力あふれる「人に、動物に、環境に、やさしい動物園」を
めざしていきたいと考えています。

   (園長 美馬秀夫)




K 「コビトカバ導入で築いたキズナを未来に」  2014年6月17日  



念願のコビトカバのカップル、相性は?  

念願だったコビトカバのカップル誕生から、8か月近くがたちました。オスのヒカルも無事に
初めての冬を乗り切り、5月下旬からは、休園日にメスのノゾミと同居の試みを開始したところです。
このカップルの相性は悪くなさそうに見えます。
今後、2世誕生を目指していくことになりますが、願わくばオスの誕生をと祈っています。 

コビトカバの写真 コビトカバの写真
<ノゾミとヒカル(どちらの写真も右がヒカル)>

以前に(NO8で)、メスの導入について紹介しました。メスのノゾミ(2010年11月生まれ)は、
スイスの国際血統登録管理者などのご支援をいただき、オランダのオーフェルローン動物園から
2012年4月に、ブリーディングローン(繁殖のための動物の貸借契約)で導入できました。
今回、オスのヒカル(2010年11月生まれ)は、2013年10月にシンガポール動物園との動物交換でやってきました。
2010年からの3年越しのカップル誕生という願いを実現することができたのです。 園独自での海外との交渉や
輸入手続きは、大変に苦労しましたが、当園にとっては新たな経験を積む非常に良い機会になりました。


タヌキと交換したオス

コビトカバのオスは、ヨーロッパでも順番待ちなので残念だがヨーロッパからは日本に出せないと
言われていました。世界的にもオスはメスに比べ極端に少なく、入手困難なのです。
そこで、オーストラリアやチリをはじめ世界中の動物園に打診し、いくつかについては具体的な交渉もしましたが、
なかなか良い結果を得られず難航を極めました。 そんな中、一度は断られたシンガポール動物園に
再度打診したところ、今度は了解が得られて、動物交換の協議に入ることができるようになりました。
シンガポールから交換希望の動物は、なんとタヌキでした。シンガポール動物園では開園40周年記念で
フローズンツンドラという新施設をオープンし、その展示に2頭のタヌキが加わっていたのですが、
その個体数を増やしたいという希望があったのです。 早速、富山市ファミリーパークの山本園長に、
タヌキの提供をお願いしたところ二つ返事でご了解をいただき、契約を進めていくことができたのです。
感謝に堪えません。
私も山本園長も、この事例を通して、日本産動物は海外との動物交換で強力な資源となりうるということを
再認識しました。国内の動物園がタッグを組んで、日本産動物を資源に海外の動物園と動物交換を行うことで、
日本の動物園の動物を維持していくという戦略が描けます。何しろ、今、動物園関係者が最も危機感を持っていることは、
このままでは「動物のいない動物園になってしまう」ということなのですから。

オーフェルローン動物園の写真
<シンガポール動物園のエントランス:
ホッキョクグマとクズリに並んで、タヌキの姿が新施設の大看板に >

オーフェルローン動物園の写真 オーフェルローン動物園の写真
<広いタヌキ舎。おそらく世界一立派なタヌキの展示施設だろう。いしかわ動物園から
送った6頭のタヌキは、ここで展示される。信楽焼のタヌキの解説もある。>


 世界の動物園とのキズナを未来に活かす

今回の貴重な経験を、ぜひとも将来にも生かしていきたいと考えています。
コビトカバの導入で築いたヨーロッパやシンガポールなど海外の動物園とのつながりは大変貴重です。
今後も、更に、交流を継続し、協力連携を強化していきたいと考えています。  
                                    (園長 美馬秀夫)
 




J 「トキに続いて、イヌワシも、ライチョウも
    −ゆかりの深い希少種の保全を−」   2013年8月24日



  希少な動物の種の保全に貢献したい。特に、石川にゆかりの深い種には全力で挑みたい。
私は、このことが、いしかわ動物園の大きな使命だと考えています。
その点で、今年は非常に大きな成果のあった年になりました。
 トキは、完全自然繁殖に初めて成功することができました。
また、念願だった県鳥イヌワシの繁殖に初めて成功しました。
更に、スバールバルライチョウの自然繁殖にも初めて成功し、初成功のオンパレードです。


@トキ(里地里山のシンボル)の完全自然繁殖に成功
 完全に親鳥に任せた自然ふ化、自然育すうに、初めて成功することができました。
しかも、昨年秋にオスが交替した新しいAUペアは、4羽の自然ふ化、自然育すうに成功しました。
4羽そろって自然繁殖で巣立ったのは、飼育下で2例目の快挙です。
ベテランペアのIペアも、4羽が巣立ち、そのうち2羽は自然繁殖です。
これ以上望めない満点の成績でした。
 自然育すうの6羽は、今も、それぞれの親鳥と一緒に家族でくらしています。
ライブ映像で、その様子を克明にご覧いただくことができます。
  秋以降、佐渡へ返還していくことになりますが、放鳥候補となってトキの復活に貢献してくれることを期待しています。

トキの写真1 トキの写真2
<左の写真:AUペアと4羽のヒナ(2013.5/29)、  右の写真:AU一家6羽が並んだ(2013.6/21)>


 Aイヌワシ(県鳥で奥山のシンボル)の繁殖成功
 ニホンイヌワシの有精卵2個を秋田市大森山動物園から移送し、
4月11日と16日に、いしかわ動物園で初めて2羽のふ化に成功しました。
 しかし、ふ化したヒナは兄弟同士の餌の奪い合いから1羽しか育たないことが普通です。
そこで、いしかわ動物園では、人工育雛と親鳥による育雛を交互に行う、ローテーション育雛を試み、
2羽とも親鳥のもとから巣立ちさせることに成功しました。
2羽そろっての巣立ち成功は、大森山動物園以外では初めてのことです。
 巣立ったヒナの愛称を、大日(オス)と、梯(メス)と名付けました。
10月いっぱいは、4羽がそろった姿をご覧いただくことができます。

イヌワシの写真 イヌワシの写真2
<左の写真:巣の中のヒナ(2013.5/12) 、 右の写真:巣立ったばかりのヒナの飛翔(2013.7/12)>


Bスバールバルライチョウの自然繁殖に成功
 今年の目標は、自然繁殖の成功でした。7月18日に、5羽のヒナが展示室内で生まれました。
メス親が羽の下でヒナ鳥を温める姿は、それはそれはかわいいものでした。
羽の下から顔を出すヒナに、大勢の皆さんが歓声を上げてくれました。
今では、5羽そろって大きく育ち、とても羽の下には入れませんが、秋までは、母子の暮らしぶりをご覧いただけます。
 スバールバルライチョウの飼育繁殖技術の向上を、危機が増大しているニホンライチョウ(高山帯&温暖化防止のシンボル)の
保護増殖へつないでいきたいと思っています。

ライチョウの写真1 ライチョウの写真2
<左の写真:母鳥の羽の下から覗くヒナ(2013.7/19)、右の写真:展示室の母子を見るこども(2013.7/21)>


 繁殖成功はもちろんうれしいことですが、ヒナや親子の姿を見て多くの来園者に喜んでいただくことで、
私たちの喜びは何倍にも増大します。
 アベサンショウウオ、ホクリクサンショウウオ、トミヨ、ホトケドジョウ・・・・、地域にゆかりのこれらの小さな命も同じです。
かけがえのない地域の宝、地球の宝です。
  絶えそうな貴重な命を未来につなぐことや、これらの種が生き続けていける環境を大切に守り育てていくことの重要性を、
一人でも多くの人たちの心に刻んでいただけるように、これからもがんばっていきたいと考えています。


                                                      (園長 美馬秀夫)


トキの写真 イヌワシの写真2 ライチョウの写真2
<写真:観覧する人たち。  トキ、イヌワシ、ライチョウ>





I 「バンザイ!イヌワシのヒナ誕生」   2013年 4月17日



 2013年4月11日、いしかわ動物園でイヌワシのヒナが初めて誕生しました。
トキに続いてイヌワシの繁殖成功は念願だったので、そのうれしさは格別です。
 今回のヒナ誕生は、秋田市大森山動物園から移送した卵を、当園のペアがふ化させたもので、
動物園同志の連携があって初めてできたことです。
大森山動物園からいただいたご指導、ご支援に心から感謝します。

 イヌワシは石川県の県鳥です。
ですから、いしかわ動物園にとって、その存在はもちろん特別なものです。
でも実は、私にとってイヌワシは、もっと特別な鳥なのです。

もう15年ほども前になりますが、数年の間、休日に時間がとれたら、
イヌワシに会いに北部白山に通いつめていたことがあります。
イヌワシは、 さまざまな姿を見せてくれました。
波状に飛ぶディスプレイ飛行、巣材の運搬、狩りの急降下、獲物の運搬、ヒナの成長、家族での飛翔など、
私はその魅力的な姿に魅了されました。
もちろん、出かけて行ってもその影さえ全く見ることができない日も多かったのですが、
イヌワシを求めて大空を眺めている時間は、本当に幸せな時間でした。
そこには、あわただしい日々の生活とは全く違う”もう一つの自然の時間”が流れていました。
イヌワシは、忘れられない思い出をいっぱいくれるとともに、
この地球に生きるということの意味を改めて考えさせてくれた鳥なのです。

野生のイヌワシの写真1 野生のイヌワシの写真2
北部白山で撮影したイヌワシ (左 : 2000年12月、右 : 1999年5月)


 動物園に来て4年がたちましたが、この間、イヌワシの繁殖はぜひ実現させたいと願い続けてきました。
いしかわ動物園では、2007年からイヌワシを飼育していますが、 2010年にケージを高く改修して飛翔空間を拡大し、
営巣用の巣台も設置し、県鳥イヌワシの繁殖への取り組みをスタートしました。
 しかし、その後、オスに大陸系亜種の雑種疑惑が見つかり、繁殖制限がかけられてしまいました。
全国でも産卵するイヌワシペアは少なく、当園の2羽は貴重なペアの一つです。
そこで、この2羽に繁殖経験を積ませ、石川での初繁殖を成功させるべく、秋田市大森山動物園と協力して、
4月5日に秋田市からイヌワシ卵を移送し、いしかわ動物園のペアに抱かせ、ふ化させる試みを行うことにしたのです。
移動に使用した携帯孵卵器は、多摩動物公園から貸していただきました。

 今回の卵の長距離移送の成功と、いしかわ動物園のペアがふ化、育すうを経験することは、
野生のイヌワシを含めて今後のイヌワシの保全に貢献できる可能性があります。
また、動物園同士が希少な種の保全を進めようという共通の思いをもって、連携協力できたことも本当にうれしいことです。

 今、ふ化したばかりのヒナを、親鳥たちが懸命に世話をしています。
その様子は、監視カメラを通して、イヌワシ舎の観察通路に設置したモニターに生中継しています。
ぜひ、多くの皆さまに、イヌワシのヒナや子育ての様子をご覧いただきたいと思っています。


                                              (園長 美馬秀夫)


イヌワシの巣の写真 イヌワシの巣の写真 イヌワシのひなの写真





H 「動物園はベビーラッシュ」     2013年 1月

 今、動物園にはかわいい赤ちゃんがいっぱいです。 昨年秋から動物園は過去最高のベビーラッシュで、
シロテテナガザル、ワタボウシタマリン、オオカンガルー、アミメキリン、ブラッザモンキーと、次々と新しい命が誕生しました。

シロテテナガザルの写真 ワタボウシタマリンの写真 ブラッザモンキーの写真
<シロテテナガザルの赤ちゃん2012.9.15生、ワタボウシタマリンの双子の赤ちゃん2012.10.15生、ブラッザモンキーの赤ちゃん2012.11.23生>


 冬寒の園内ですが、赤ちゃんに会うと幸せな気持ちになります。
一生懸命子育てする母親や、赤ちゃんを気遣う家族の姿に、やさしい応援のまなざしが注がれます。
キリンの展示場に今回初めて設けたボードには、赤ちゃんと両親への愛情あふれるメッセージをいっぱい頂戴しました。
 動物園は、そんな温かな心を育んでくれるすばらしい場所です。
もちろん、動物園の職員にとっても、新たな命の誕生は何にも増して大きな元気の源です。   

キリンの写真 メッセージの写真 メッセージの写真2
<キリンの赤ちゃん(2012.11.12生)と母親、愛情あふれるメッセージをいっぱいありがとう>


 冬の動物園の名物はカピバラの露天風呂やペンギンのお散歩ですが、
室温27度と動物園で最も暖かな(暑い?)「南米の森」も、ぜひ楽しんで欲しいと思います。
ヘビ年ですから、3m近くもある大蛇のボアコンストリクターに挨拶しておくと良いことがあるかもしれません。
超小型サルのワタボウシタマリンの双子の赤ちゃんが、元気にはね回っています。
先頃、ここにオニオオハシのペアが仲間入りし、熱帯雨林を再現した展示室内を飛び回っています。
20cmもある黄色い大きなくちばしが目立つ南国ムード満点の鳥です。
今、この鳥の難しい繁殖にチャレンジしようと、工夫しながら巣箱の準備を進めているところです。

オニオオハシの写真 オニオオハシの写真2
<オニオオハシのペア、手のひらからエサを食べてくれる>


 今年も、新しい夢をたくさん見つけ、動物たちと一緒に前進していきたいと思っています。
どうぞ、楽しい動物園で、笑顔になってください。   


                                  (園長 美馬秀夫)  






G 「世界の動物園がタッグを組んで
   種の保全&ドリームナイト・アット・ザ・ズー」  2012年6月15日  



 コビトカバの一般公開が、4月22日から始まりました。元気でかわいらしくて、大人気です。
1歳半のメスのコビトカバです。  このコビトカバは、オランダからやってきました。
オランダでの名前は、ASABIです。オランダ東南部にあるオーフェルローン動物園から、
ブリーディングローン(繁殖のための動物の貸借契約)でお借りしたのです。

 コビトカバの導入実現までは、本当に大変でした。この導入が実現したのは、
世界中の動物園が協力して、コビトカバの種の保全を進めていこうとする共通理解があったからなのです。
これについては、アニマルあいズの2012年春Vol.13-1号「コビトカバがやってくる」をぜひご一読下さい
( http://www.ishikawazoo.jp/eyes/index.html )。

 オーフェルローン動物園のサビネ園長やベルナルドさんは、コビトカバの未来のために互いにがんばりましょうと、
気持ちよくブリーディングローン契約に応じてくださいました。
煩雑な輸出入の手続きにも積極的にご協力していただき、助けていただきました。
また、スイスのバーゼル動物園のシュティックさんが、親身になって道筋をつけてくださったおかげで、
導入へ歯車が回り出したのです。シュティックさんは、コビトカバの国際血統登録管理者として、
世界中のコビトカバ情報を管理し増殖をめざす中心人物です。この他にも多くの方々のご協力の結晶として、
コビトカバはいしかわ動物園の人気者になったのです。本当にありがとうございました。

 「命を未来につなぐ」ことは、動物園の最も大事な役割の一つです。日本中の、世界中のすべての動物園が、
命を絶やさずに未来につなぐという共通の目標に向かって、
タッグを組んで、動物たちの未来のために頑張っているんです。
 いしかわ動物園は、次に、世界的に非常に少ないオスのコビトカバ導入というさらに難しい課題に向かって、
がんばっていかねばなりません。  

コビトカバの写真
<人気者のコビトカバ。いしかわ動物園で>

 この5月27日に谷本知事がオーフェルローン動物園を訪問し、サビネ園長さんらに心からの感謝の言葉を述べ、
お礼のプレゼントを手渡しました。コビトカバの両親に会い、飼育員のナタリーさんのお話を伺うこともできました。

 オーフェルローン動物園で、谷本知事は、一つの発表をしました。それは、「ドリームナイト・アット・ザ・ズーを、
いしかわ動物園で今年から実施します。その際にサビネ園長を招待したい。」というものでした。
サビネ園長は、このことを非常に喜んでくれました。

オーフェルローン動物園の写真 オーフェルローン動物園の写真
<谷本知事とサビネ園長。 5月27日、オーフェルローン動物園にて>


 『ドリームナイト・アット・ザ・ズー』は、障害のある子どもたちとその家族を、閉園後の動物園に無料招待し、
楽しいひとときを過ごしていただく国際的なイベントです。  1996年に、オランダのロッテルダム動物園が、
がんを患っている子どもたち175人とその家族を招待したことから始まりました。
現在、世界37か国249の動物園・水族館がこの意義に賛同して実施しています。
ドリームナイト・アット・ザ・ズーは、国際的に協力して進めている動物園の教育活動として唯一のものです。
(http://www.dreamnightatthezoo.nl/Dutch/index_NL.htm)

 私は、ロッテルダム動物園に、マルク園長とドリームナイトズー財団のハンク事務局長を訪ねました。
出迎えてくれた二人は、熱い思いを込めてこの活動の意義を説いてくれました。
「障害のある子どもたちをVIPとして歓迎し、子どもたちとその家族のためだけに
“特別で忘れがたい夜”をプレゼントするのです。これは、動物園にとっても非常に特別な体験となります。
このプロジェクトは努力に値するものです。
世界中の動物園が、この活動を実施するようになることが私たちの夢です。」
そう語って、ドリームナイト・アット・ザ・ズーのシンボル旗を手渡してくれました。

シンボル旗の写真
<ハンク事務局長(左)とマルク園長(右)とシンボル旗>


 2012年、日本では、いしかわ動物園を含めて16園が参加します。
いしかわ動物園は、日本海側で初の参加になります。
 いしかわ動物園の初めての「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」は、
8月10日の夜、県内の特別支援学校に在学する小学生の希望者とその家族を招いて実施する予定です。
楽しいイベントにしようと、今、みんなで知恵を集め企画を練っているところです。


                               (園長 美馬秀夫)  





F 「 いのちと動物園 」    2012年2月13日

動物園は良いところです。なにしろ、お客様がみんな笑顔です。すばらしい癒しの空間です。
お子様連れだけでなく、若いカップルから中高年の方々まで、みなさん楽しそうです。
 冬の動物園に名物ができました。露天風呂のカピバラ湯です。
湯気の向こうにまったりとした表情のカピバラたちを見ると、自然と笑みがこぼれます。
5月生まれの3頭のちびっ子たちでかわいさ倍増です。

カピバラ湯の写真
<写真:カピバラ湯:雪見のカピバラ露天風呂は他では見られない魅力です>

 動物の繁殖は、動物園の重要な使命です。この努力のご褒美が、赤ちゃんに会える喜びなのです。
昨年は、トキの親鳥がヒナを育てるハイビジョン映像に、たくさんの方々が歓声を上げてくださいました。
飼育下で全国で初めて繁殖に成功した希少種のアベサンショウウオの小さな小さな赤ちゃんを
ご覧いただくこともできました。やっぱり、赤ちゃんの魅力は絶大です。
この感動こそ、命のかけがえのなさを学ぶことにつながるのだと思います。

アベサンショウウオの写真
<写真:アベサンショウウオの幼体と成体:昨年、日本で初めて飼育下の繁殖に成功しました>


動物園は「命をつなぎ、命を学ぶ場」です。命を絶やすことなく未来につなぎ、
命を学び心豊かな人をつくることは、地球の未来のために最も重要なことの一つです。
この大切なことに動物園は大いに役立てると考えています。
 今年、動物園は、トキにつづいてライチョウの未来に貢献するため、スバールバルライチョウの繁殖をめざします。
また、ジャイアントパンダ、オカピと共に「世界三大珍獣」と呼ばれるコビトカバの導入準備も進めていきます。
ぜひ、楽しい動物園にお出かけ下さい。

コビトカバの写真 コビトカバ舎イメージ
<写真左:コビトカバ:オランダからやってくるASABIとその母親。ASABIは2010年11月生まれのメス>
<写真右:コビトカバ舎の完成イメージ>


          園長 美馬秀夫 (H24.1.12 北國新聞夕刊「舞台」に掲載)





E 「トキとライチョウ、新たな取り組みへ」    2011年5月19日



 初夏の日差しが降り注ぐようになりました。
この春、私たちは東日本大震災というすさまじい災害を経験してしまいましたが、
今、園内には、遠足の子どもたちの賑やかな声が響いています。
被災地でも復旧・復興が進み、子どもたちの笑顔と元気な声が響くようになることを心からお祈りいたします。

 いしかわ動物園では、5月5日に入園者400万人を達成することができました。
平成11年10月9日の開園からおよそ11年半で達成したことになります。
400万人と一口に言いますが、これは大変な人数です。
これからも、職員みんなで知恵と力を合わせて、ご来園いただくお一人お一人に、
「来て良かった、また来たいな」と言ってもらえるように、魅力アップの努力を続けていきたいと思っています。

400万人達成の写真
<写真:入園者400万人達成>


○トキの自然育雛(いくすう)

 いしかわ動物園のトキたちは、2回目の繁殖期を迎えました。
これまでに6羽がふ化し、有精卵3個が孵卵器に入っています。
そして、今年は初めて、自然育雛を実施しました。
自然育雛とは、人工ふ化したヒナを親鳥たちに託して育ててもらうものです。
 5月3日と8日に、ヒナを2羽づつ2ペアの親鳥に託し、これまで順調に育っています。
ピヨピヨと盛んに鳴いてエサをねだるヒナ鳥と、かいがいしくヒナの世話をする親鳥の姿は、
感動的な命の営みそのものです。
大画面の魅力あふれるライブ映像が大好評で、多くの方々に、新たなトキの魅力を伝えてくれています。
 自然育雛や自然繁殖で育ったトキは、人工繁殖で育った個体に比べて、
放鳥後にペアとなって営巣する率が高いと言われています。
そのため、放鳥個体に選ばれる可能性が大きくなります。
親鳥たちの愛情をいっぱいに受けて無事に大きくなり、石川生まれのトキが大空を飛ぶ日がやってくることを、
みなさんと一緒に期待して待ちたいと思います。
この感動こそ、命のかけがえのなさを学ぶことにつながるのだと思います。

トキの写真 トキ映像コーナーの写真
<トキの自然育雛の様子>       <大画面モニターを見る人たち>


○「ライチョウの峰」がオープン

 スバールバルライチョウの飼育展示施設である「ライチョウの峰」が、4月24日にオープンしました。
 エントランスには小雪が舞い、ガラストンネルの通路から見る展示室内には白山をイメージしたすばらしい絵が描かれ、
ハイマツやハクサンコザクラ、ミヤマオダマキなど本物の白山の高山植物も見ることができます。
まるで白山の高山帯にやってきたような雰囲気の中、間近に白くかわいいライチョウの生態をつぶさに観察でき、
多くの皆様に大変好評をいただいています。
 この施設ができたのは、白山では絶滅したとされていたライチョウが、
平成21年6月に約70年ぶりに発見されたことが引き金になりました。
ニホンライチョウは、最近の20数年間で3000羽から1700羽に激減し、
このままでは絶滅するおそれが非常に高いと言われています。
そこで、上野動物園や富山市ファミリーパークなどの動物園が協力して、
まずは外国のライチョウで飼育繁殖技術を獲得し、
その後、ニホンライチョウの保全につなげていくことをめざして行動を開始したのです。
いしかわ動物園も、この一員として、精一杯がんばっていきます。
 「いつまでもニホンライチョウが見られる日本の高山」、これが私たちの夢です。
バックヤードには飼育ケージや繁殖のための機器などを準備しています。
関係園館と協力して飼育繁殖技術を獲得する努力を続け、
ゆくゆくは、ぜひニホンライチョウの保全に貢献していきたいと考えています。
 ライチョウや高山帯の自然の魅力と大切さを多くの方々に体感していただき、
みなさんと一緒に、その自然の危うさについても学び、ストップ地球温暖化にも取り組んでいきたいと考えています。
 スバールバルライチョウをお貸しいただいた上野動物園と富山市ファミリーパーク、
高山植物の展示にご協力をいただいた白山高山植物研究会のみなさまに、この場を借りて心から感謝申し上げます。

ライチョウの写真 ライチョウ舎の写真
<スバールバルライチョウと高山植物>    <ガラスドームの観覧通路>


○みなさま、ぜひ、ご来園下さい!

 生後半年になったキリンの「キズナ」、5月10日に生まれたばかりのカピバラの赤ちゃんたちも、
首を長くしたり短くしたり(?)して、みなさまのご来園をお待ちしています。ぜひ会いに来てください。

キリン親子の写真
キリンの家族(左から、キズナ♂、父親のジェブ、母親のイザベル)

カピバラ親子の写真
カピバラの親子


                       (園長 美馬秀夫)






D 「デカ 長いあいだ本当にありがとう」    2010年9月25日

 今年は、トキが誕生し、8羽が巣立つといううれしいニュースをお届けすることができました。
 でも、うれしい誕生があれば死もあります。
8月5日、長寿日本一だったカバのデカばあちゃんが、58歳で生涯を閉じました。
世界でも第2位で、人間にたとえれば110歳を超えるという長寿でした。
 その日の朝も、大好物のおからと青草をたいらげ、いつもと何も変わらない様子でした。
最後まで我々に全く弱みを見せず、野生動物のすごさを見せつけて、突然逝っってしまいました。
本当に大往生でした。

 デカは、長い間、いしかわ動物園のアイドルでした。
ゆったりとマイペースで、癒しのオーラをまき散らし、多くの方々それぞれにたくさんの思い出を残してくれました。
翌日から、デカの死を知った人たちが、次々とカバ舎を訪れてくださいました。
デカの写真は、たくさんの花で埋め尽くされました。
デカの観覧通路は壁面だけでなく天井まで、2000枚を優に越える真心あふれる暖かいメッセージカードで埋まりました。
ナイト・ズーでも、主のいないカバ舎に人波がとぎれることがありませんでした。
デカは、遠い日の思い出をよみがえらせてくれる特別な存在なのでしょう。
涙を流しながら小さな手を合わせてくれる子どもの姿もありました。
デカの死は、子どもたちを含めて多くの人に、命や死というものを感じ、
改めて考える機会を与えてくれたように思います。

献花台の写真 献花台の写真
<写真1 デカばあちゃん献花台>    <写真2 壁面、天井にカードがいっぱい > 

 9月19日には、たくさんの方々にお集まりいただき、デカのお別れの会を開催することができました。
お忙しいところ、本当にありがとうございました。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
この感動こそ、命のかけがえのなさを学ぶことにつながるのだと思います。

お別れの会の写真
<写真3 お別れの会>


動物園では、生と死のドラマが日常的に繰り返されています。
生命(いのち)の教育の舞台として、命を大事に考える人づくりの場として、もっともっとできることがあるように感じています。

 いしかわ動物園は、設立当初から学校等との連携を強く意識し、様々なプログラムを実行してきました。
今後更に、先生方をはじめ多くの方々と知恵を出し合い、目標を明確にした体験教育の場として磨きをかけていきたいと思います。
命の大切さを深く理解し、生きものが大好きで地球の未来を考え行動してくれる、
そんな子どもたちがいっぱいの社会をつくることに貢献していきたいと願っています。

 (お知らせ)  いしかわ動物園では、デカへの感謝の気持ちを込めて、「ありがとうデカ」という小冊子を作りました。
一般の方々から送っていただいた写真もたくさん入っています。
エントランス広場の売店「ダン」で販売しています。どうぞ、手にとってご覧ください。(A4カラー20p、300円)

デカ追悼号の写真
<写真4 デカ追悼号 表紙写真>


                     (園長 美馬秀夫)
 




C 「トキのヒナ8羽が、無事に巣立ちました」    2010年7月23日



 待望の夏休みに入りました。今年は、例年以上に厳しい暑さが続いています。
でも、動物たちは、元気です。  今年1月にやってきた2ペアのトキから、8羽のヒナが無事に巣立ちました。
石川県では、ほぼ半世紀ぶりに誕生したトキのヒナたちです。
2ペアが産卵した19個の卵から、4月25日に最初のヒナがふ化し、その後も順調に人工繁殖で計9羽がふ化しました。
そのうち1羽は残念ながら死亡しましたが、8羽が無事巣立ち、当初の予想を超える成果を上げることができたと思っています。

トキの写真 トキの写真
<写真:巣立ったトキのヒナたち>

 今後、この経験を生かし、トキの復活、トキの未来のために、飼育繁殖の努力を継続していきたいと考えています。  

 また、動物園のトキ展示・映像コーナーには、この半年間で実に7万人を超える方々のご来場をいただきました。
大画面の魅力あふれるライブ映像が大人気で、解説ガイドの丁寧な説明もご好評をいただきました。
特に、ヒナへの給餌を飼育員の説明付きでライブ中継しましたが、これはおそらく他にほとんど例のないことではないかと思います。

トキ映像コーナーの写真 レクチャーホールの写真
<写真:にぎわうトキ展示 ・ 映像コーナー、レクチャーホール>

 トキ分散飼育の初年度に、石川での2世誕生とともに、このように多くの方々に、
トキへの関心・理解を深めていただくことができたことは、本当に意義深いことだと思っています。
県民の皆様と共に、トキを通して、生物多様性や里山、
生きものと人が共生することの大切さを考えていくきっかけにしていきたいと思います。

 今年は、国連が定めた国際生物多様性年です。
いしかわ動物園では、「動物園で広めよう 生物多様性」をキャッチフレーズに、
8月1日から、特別企画展の「たんけん動物園」を開始します。
 そして、恒例のナイトズーですが、8月8日の日曜日から、8月中の土日は毎日開催します。
どうぞ、お楽しみに!

 今年の夏休みにも、ぜひ、いしかわ動物園で有意義な1日をお過ごしください。  


                               (園長 美馬秀夫)





B トキの分散飼育が始まりました   2010年1月9日



 大変うれしい朝を迎えました。石川県とトキの新しい歴史のはじまりです。
今朝、7時30分、移送箱からトキをケージに放鳥しました。
分散飼育のため、昨日17時35分に、佐渡トキ保護センターからいしかわ動物園に到着した2ペア4羽のトキです。
トキは4羽そろって元気でした。大変うれしく、ほっとしています。

トキ移送の写真 

 いよいよ、いしかわ動物園でのトキの飼育繁殖がスタートしました。身が引き締まる思いです。
もちろんプレッシャーはありますが、本州最後のトキの生息地というトキにゆかりの深い石川県の動物園として、
トキの復活、トキの未来に貢献できることは、大変誇らしく、ありがたいことです。
これまでに培ってきた飼育技術を総動員し、佐渡トキ保護センターや多摩動物公園等とも連携し、
飼育繁殖にベストを尽くしていきたいと考えています。
 また、1月17日(日)には、動物園内の動物学習センターに、トキの展示映像コーナーがオープンします。
ケージは非公開ですが、この展示映像コーナーでは、ケージ内のトキのライブ映像もご覧いただけますので、
ぜひ、多くの皆さんにご来園いただき、トキへの関心・理解を深めていただきたいと思っています。

トキモニターの写真 

 トキは、絶滅から復活への物語の主役です。里山のシンボル、生物多様性や自然と人との共生のシンボルでもあります。
今後、トキを通して、生きものとの共生のあり方を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

 最後に、今回の受入まで、種々ご指導等をいただきました環境省をはじめ、佐渡トキ保護センター、
多摩動物公園、上野動物園、新潟県、佐渡市、国の専門家会合委員や県の検討委員の方々、日本中国朱鷺保護協会など、
関係の皆様方に、厚くお礼申し上げます。

                                  (園長 美馬秀夫)  






A いしかわ動物園が、開園10周年を迎えました   2009年10月10日


 いしかわ動物園が、平成11年10月に能美市(旧辰口町)に移設・開園してから10周年という節目を迎えることができました。
開園からこれまで、県内外から350万人を越える方々にご来園いただき、
親子連れからカップル、高齢者まで幅広い方々に、親しんでいただくことができました。
 今日からは、次の10年に向けて、いしかわ動物園がより多くの方々に親しまれるよう工夫を凝らすとともに、
未来を担う子どもたちが、動物や自然に対する理解を深め、自然との関わりや命の大切さを学ぶため、
より多くの機会を提供していきたいと考えています。

記念式典の写真  園内風景の写真
    開園10周年記念式典の様子      開園当初の園内風景(平成11年10月24日撮影)


 開園10周年を迎えるにあたり、これまでお世話になった全ての方々に感謝申し上げます。
また、多くの動物たちや来園者と共に歩んできた10年間の出来事を記録するとともに、
次の10年への思いも込めて「いしかわ動物園 10年のあゆみ」を作りました。
本ホームページでもご覧いただけます(http://www.ishikawazoo.jp/box/ichiran/10aniv/index.html)ので、
ぜひ目を通していただければと思います。

10周年記念誌表紙
                                (園長 美馬秀夫)  







@ 進化する「いしかわ動物園」に   2009年6月5日


 いしかわ動物園は、里山の中にあります。
今、動物園の周囲の雑木林ではヤマボウシやササユリの花が咲き、初夏の装いです。
また園内では、マゼランペンギンやアカハナグマなど、今年もたくさんの赤ちゃんが誕生しています。
トキ近縁種のホオアカトキとクロトキの人工繁殖にも忙しく取り組んでいます。
多くの方々に、笑顔でご覧いただきたいと思っています。

 この4月、山本前園長からバトンを受けてから、キリンのリンタの多摩動物公園への移送、
佐渡市長のご来園、ネコたちの谷(トラ、ライオン)のリニューアルオープン記念式典、
オランウータンのブロトスの落下園内逃走事故、そして、ゴールデンウイークの賑わいと、
あわただしく、エキサイティングな日々が続きました。

 魅力アップしたネコたちの谷では、ライオンの雌雄同居が始まり、今のところ順調です。
トラも新しいパドックに馴れつつあります。「猛獣たちの世界に一歩近づいてみよう」
というコンセプトでリニューアルしたネコたちの谷ですが、
間近で見る猛獣たちの迫力ある姿が、多くの来園者に好評です。

 オランウータンの空の散歩道からの落下園内逃走事故では、大変お騒がせをし、ご心配をおかけしました。
大変申し訳なく、安心安全な展示施設となるよう、対策を検討しているところです。

トラ屋外展示の写真 ライオン屋外展示の写真


 私は、これまで県庁で自然保護行政一筋に35年間を過ごしてきました。
今までの経験も生かして、種の保存や環境教育への取り組みを進め、
生きものが大好きな子どもたちを増やしていきたい。
動物たちが生き生きと過ごし、訪れていただいた方々にはゆったりと楽しみ満足してもらって、
動物や自然のことを大切に考えてもらえるきっかけになる、そんな動物園にしていきたいと思っています。

 当面する動物園の大きな課題は、トキの分散飼育の円滑な受入です。
いよいよ、年内に、受入施設を整備完成させる段階になりました。
トキにゆかりの深い石川県の動物園として、トキの復活プロジェクトに参画できることは、大変誇らしく、ありがたいことです。
国際生物多様性年を来年に控え、トキの未来のために動物園として最善を尽くすとともに、
トキを通して、私たちは今後どのように生物や自然と関わっていくべきかを考える機会にもしていければと思っています。
 また、開園10周年記念事業の第2弾として、イヌワシとヒョウ、ピューマのケージのリニューアル整備も控えています。

 これからも職員一同が力を合わせて、多くの方々に動物園でさまざまな楽しみや新しい発見をしていただけるよう、
また、人間と動物が共に生きる「地球の命の重要性」を学ぶ場となるよう、「進化する動物園」でありたいと考えています。
 「楽しく遊べて、学べるいしかわ動物園」に、みなさん、ぜひお越しください。

                               (園長 美馬秀夫)