最新のどうぶつえん日記
サニーの採食時間を延ばす取り組み⑤ 6月12日
以前、サニーの採食時間を延ばす取り組みとして、消防ホースを吊るしてその中に固形飼料を入れて与えてみたが、
採食時間はあまり延びなかったという記事を書きました。そこで、今回は取手が壊れたバケツを使い、フィーダー(給餌器)を作りました。
バケツの横に穴を開け、中に固形飼料を入れました。バケツの中に傾斜をつけ、穴と反対側に固形飼料が貯まる仕組みにしました。
サニーは新規の物が苦手なので、以前吊るしていた消防ホースに似せるためバケツに消防ホースを巻きました。その甲斐あって、
サニーは初日から嫌がることなく触ってくれました。十分に慣れてから3回計測してみると、1.5kgの固形飼料を取り出すのに約12分かかりました。
同じ量の固形飼料をばらまいた時が約7分なので、少し採食時間を延ばせました。少しずつ難易度を上げるため消防ホースの長さを短くしたり、
穴を少し塞いでみたりしましたが、結果はあまり変わりませんでした。よく見るとサニーの振る力が強くてバケツの上から飛び出ていました。
サニーの鼻が届かない所まで転がっていくこともありました。そこで、蓋を取り付けたところ約19分まで延びました。良い感じだと思っていましたが、
次第に採食時間は短くなりバケツの中に残っている量が増えました。サニーにとって難しい難易度になっていたようです。
サニーにとっての「ちょうどいい難易度」にするのはなかなか難しいなと感じました。(小倉 康武)
サニーの採食時間を延ばす取り組み④ 6月3日
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1歳になりました! 5月28日
好奇心が強い性格で、一緒に展示場にいるホオジロカンムリヅルを追いかけたり、たまにシマウマに近づきすぎて怒られたり、元気いっぱいです。 母親であるマリから少し離れて、展示場を一頭で歩く様子もよく見られるようになってきました。
一方、見慣れないものや人に対して少し慎重になるのは、母親であるマリに似ています。 私も担当となってしばらくの間、警戒されてしまい、名前を呼んでもなかなか近づいてこない日もありました。 まだまだ子供っぽい様子もありますが、ゆくゆくは父親であるジャンプに負けず劣らずの立派なオスへと成長していってほしいと期待しています。
ジャジャマル1歳おめでとう!!(木村元大)



サニーの採食時間を延ばす取り組み③ 5月24日
今回は乾草の与え方です。当園では、チモシーというイネ科の乾草を与えています。乾草は圧縮されて1梱包20kg~25kgくらいのものが2週間に1回12梱包ほど搬入されます。この乾草を1袋4kgに分けて与えます。3回計測したところ、4㎏の乾草を床に置いて与えると平均36分で食べきりました。この採食時間を延ばすために、サニーの寝室には乾草を入れる箱が2つ設置されています。大きい方の箱に入れて与えると、平均35分で食べきりました。採食時間はたいして変わりません。小さい方の箱に入れると、平均62分でした。こちらは、そこそこ採食時間を延ばすことができました。しかし、採食時間が延びているということは、サニーにとってはそれなりに取りにくいということなので、途中で取るのを諦めることもあります。また、乾草の圧縮具合、サニー好みの乾草かどうかによっても採食時間が変わります。私としては小さい箱の乾草を諦めずに食べてくれることが望ましいので、サニーが好みそうな乾草は小さい箱に、あまり好まなさそうな乾草は大きい箱に入れるようにして、採食時間が少しでも延びるようにしています。(小倉 康武)
けんきゅうのおはなし 4月27日
動物園の役割の一つに「調査・研究」があります。動物たちが快適に暮らせるように、日々考え、実行し、記録し、共有することは、動物園にとっての大切な使命です。2019年9月にトラのジャムが死亡しました。調査の結果、「甲状腺原発扁平上皮癌」という珍しい病気であることが分かりました。この内容を日本動物園水族館協会が開催する動物園技術者研究会で発表し、論文として雑誌に掲載されました。死亡した動物たちに私たちができることは、動物たちが教えてくれたことを、今生きている命に活かすことだと考えています。ジャムが教えてくれたことが、世界中にいるトラたちの健康の一助になれば幸いです。(動物病院 千葉 友章)