どうぶつえん日記

最新のどうぶつえん日記

ドーネ、またね。   11月7日

11月4日にボルネオオランウータンのドーネが旭川市旭山動物園にお引越ししました。

最終日のドーネ
展示最終日のドーネ

ドーネは、好奇心がとても強く、私が与えた新しいおもちゃやフィーダーなどをとりあえず触ったり、匂いをかいだり、時にはこちらが予想していないことをしたり、見ていて本当に飽きませんでした。
その度にドーネのことを知れて、嬉しい気持ちになりました。
また、人のことも大好きです。
展示場の奥で毛布にくるまっていても、お客さんを見ると起き出して、目の前まで来てくれることがよくありました。
お客さんの前でいろんなしぐさをしておもてなしをしたり、大好きな毛布を持ってきてベッドメイキングをしたりするなど、人を笑顔にするオランウータンだなと見ていて思いました。

ドーネへのメッセージボードも毎週、ボードが埋まる勢いでたくさんのお言葉をいただきました。
展示場前に行くとファンの方がドーネを見にきてくださり、私にドーネへの愛をたくさんお話ししてくださいました。
こんなに愛されているドーネを担当できて、私は、幸せ者ですね。

ドーネへのメッセージボード
ドーネへのメッセージボード

10月26日にはお見送りイベントを行いました。
ドーネを担当した6年間で撮影した写真や動画を編集して、思い出ムービーを作り、参加者の方と見ながらお話ししました。
編集していると、とても懐かしい気持ちになって手が何回も止まりました。

ドーネのお見送りイベント
ドーネのお見送りイベント

搬出するための準備やイベントの用意などをしていると、あっという間に日が経っていきました。
搬出の日が近づくにつれて、この作業をするのも最後なんだなと思うことが増えてきて、そんな時はなんとも言えない気持ちになっていきます。
本当に楽しい日々を過ごさせてくれたドーネに感謝しかありません。
ありがとう。
ドーネを応援してくれた皆さま、本当にありがとうございました。
(林 皓太)

白いアオダイショウの展示   11月2日

早いもので、白いアオダイショウことシラカバの公開から約1ヶ月が経ちました。

アオダイショウのシラカバ
アオダイショウのシラカバ

展示水槽での様子を観察すると、開園時間や閉園間際の人が少ない時間帯にはよく動き顔も見えるのですが、人が多い時間帯だと後ろの方で丸まっています。
たくさんの人に見てもらえてますが、しっかりとお顔を拝めた人は少ないのかもしれません。

実はシラカバの公開までに半年もかかりました。
その理由は餌付けです。
動物園で飼育している他のヘビは餌であるマウスを見せるとすぐに飛びついてきます。
シラカバは動物園で初めて餌を与えた時は相当空腹だったようですぐに食べてくれましたが、それ以降一カ月餌を食べなくなりました。
マウスを温めたりカエルの匂いを付けたり、環境を暗くしたりと工夫しましたがダメでした。
その為、泣く泣く強制給餌を行うことにしました。
強制給餌とはヘビの首をつかみ、強制的に口をこじ開けエサを喉の方に押し込み食べさせることです。
このヘビに嫌われる給餌を2ヶ月間続けました。
その後置き餌で食べるようになり1ヶ月後にはピンセットから餌を食べるようになりました。

ようやく展示できました
ようやく展示できました

なかなか大変でしたが、とても愛くるしいヘビさんですので是非会いに来てください。
(横田隼一)

もっと近くで見てもらおう!   10月29日

コビトカバの屋外展示場の一部には、ガラス越しに近くで観察できるエリアがあります。
これまで、このガラスの前に餌を置いて、近くで観察していただいていましたが、餌を食べるコビトカバは下を向いているので、口の中などは見にくいことが多かったです。

これまでの様子
これまでの様子

これは、これで良いのですが、もっと近くで口の中を見てもらうことはできないか?と考え、ガラスの前に餌であるカシの木の葉を吊るしてみました。

吊るしたカシ
吊るしたカシ

カシを引きずり下ろそうとしないか?という心配はありましたが、コビトカバたちは、戸惑いつつも食べてくれ、引きずり下ろすこともありませんでした。

下から見たところ
下から見たところ

カバの特徴の一つである立派な犬歯やその犬歯が上顎に収まるところなど、普段あまり見られないところが見られるようになりました。

口の中
口の中

今後は、カシの葉は毎日調達できるわけではないので、フィーダーを吊るしたいと思っています。
ご来園の際には、ぜひ近づいて、色々な角度から観察してみて下さい。
(小倉 康武)

展示場にカゴ②   10月5日

不要になったカゴを使い、フィーダーを作りました。
カゴの上部は消防ホースを編み込んで塞ぎ、底には穴を開け、カゴの中にはリンゴを入れ、高さ180cmほどの高さに吊りました。
カゴをうまく揺らすとリンゴが落ちてくる仕組みです。

消防ホースを編み込んだカゴ
消防ホースを編み込んだカゴ

設置初日、新規のものが苦手なサニーは予想通り警戒ぎみでしたが、警戒しつつも興味はあるようで、カゴに近づいては離れる行動を繰り返しました。

その後、3日目には鼻先で少し触れるようになりましたが、カゴを揺らすには程遠い状態でした。
そこで、カゴの穴に牧草を詰めてみると、牧草はすぐに取りだしました。

牧草を取り出すサニー
牧草を取り出すサニー

この日を皮切りに、カゴに触れる頻度は上がりました。
重ねて、編み込んだ消防ホースの隙間にリンゴを挟んでおくと、そのリンゴを取ろうとしてカゴを傾けるようになり、たまたまカゴ内のリンゴが落ちてくることもありました。

カゴを傾けるサニー
カゴを傾けるサニー

しかし、設置から2週間が過ぎた現在も、観察している限りではカゴ内のリンゴを落とすためにカゴを揺らす行動は、まだ見られていません。
まだ取りだし方を理解していないのか、サニーには難しかったのか、それは分かりません…。
ただ、このフィーダーを設置したことで、サニーの行動パターンは変わりました。
これまでは、展示場中央の石柱で休息を取ることが多かったですが、フィーダー設置後は、このカゴの近くで休息を取るようになりました。

カゴのそばで休息するサニー
カゴのそばで休息するサニー

なぜ、カゴの側にいるのか?疑問です。
これまで作成したフィーダーを与えた時とは違う反応をしているので、とても不思議です。
同時に、高さや場所を変えたらどうなるのか?など、疑問が更に湧いてきました。

今回、サニーの行動に変化を与えられたことは、とても良かったですし、まだカゴの在庫もあるので、他に何かできないか検討していきたいです。
(小倉 康武)

展示場にカゴ①   9月28日

サニーは、展示場に直に牧草を置くと、あまりキレイに食べてくれません。
おそらく砂が付くせいではないかなと思っていました。
そんな折、不要になったカゴがあるということで、もらってきて、牧草を入れてみました。
キレイに食べるかな?と思い、観察しましたが結果は「牧草を取りだし、カゴで遊んだ」でした。

カゴに牧草
カゴに牧草

いや、食べて~と思いつつ、カゴを押したり持ち上げようとしたり、繋いであるチェーンを鳴らしたり、カゴで遊ぶサニーを見ていると、これはこれでいいかと思うようになりました。

チェーンで遊ぶサニー
チェーンで遊ぶサニー

しかし、数日すると飽きたようで遊ばなくなり、牧草も残っていました。
そこで、次は更に砂が付きにくいように、カゴを高さ1mほどに吊ってみました。
すると、牧草を残す量は少し減りました。
やはり、砂が付くと嫌なんだろうなと改めて思いました。

吊ったカゴから牧草を取りだすサニー
吊ったカゴから牧草を取りだすサニー

以前より牧草をキレイに食べてもらうことはできましたが、カゴで遊ぶ姿が見られなくなり、今度はカゴを使ったフィーダー を作る事にしました。
そのお話はまた次回。
(小倉 康武)