展示動物紹介 (非公開の施設)
トキ飼育繁殖センター Crested Ibis Breeding Cage
新潟県佐渡市で飼育されているトキが感染症などにより再絶滅するのを防ぐために、国はトキを分散飼育することを決定しました。 いしかわ動物園では2009年12月にトキ飼育繁殖センターおよび繁殖ケージを整備し、トキの分散飼育および繁殖を始めています。トキ飼育繁殖センターではトキの繁殖ケージ内を監視するモニターをはじめ、
トキを孵化させるフ卵器や、人工育雛のための設備が完備されています。来園者には非公開の施設となっていますが、「トキ」はトキ里山館で公開していますのでぜひご覧ください。トキ里山館の詳細はこちら
トキ Nipponia nippon
外国 語の 表記 |
Japanese Crested Ibis 朱鹭 따오기 |
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分類 | ペリカン目 トキ科 |
分布 | 中国および日本 |
保護 | 国際希少野生動植物種、CITES(附属書Ⅰ)、IUCN(EN) |
◆ 2021年の繁殖記録 ◆
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2021年はBOペアが暮らすトキ里山館では巣台の上に簡易的な屋根を設置し、繁殖期を迎えました。
例年に比べ雨風をしのぐことができ、BOペアの巣内では自然孵化、自然育雛でヒナが育つことができました。
2016年にトキ里山館が完成して以来、人が手を加えることなく繁殖に成功したのは初めてのことです。
今季初めて繁殖に取り組んだCJペアは抱卵途中で卵を放棄してしまい、ヒナを育雛できませんでした。
来年に向け、計画的に準備し、環境を整えていきます。
またAWペアでは3羽の雛の育雛に取り組み、無事に巣立つことができました。
■いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、
2021年6月5日、9日の第24回放鳥で2羽、2021年9月17日‐19日の第25回放鳥で3羽が放鳥されています。
◆ 2020年の繁殖記録 ◆
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2020年はトキ里山館での飼育繁殖をIペアからBOペアに変更し、BOペアはトキ里山館での初繁殖に取り組みました。
しかし、風雨の影響により、卵の発生が中止してしまいました。
来年に向けて、巣台の上に風雨を避けることができるような屋根を設置し、より安全に繁殖期を迎えられるようにしていきます。
非公開ペアでは、親鳥が卵を巣外へ捨てる等のトラブルもありましたが、なんとか各ペア1羽ずつ自然育雛に励み、無事に3羽が巣立ちを迎えることができました。
■いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、
2020年6月5日の第22回放鳥で1羽、2020年9月18日、9月24日の第23回放鳥で8羽が放鳥されています。
◆ 2019年の繁殖記録 ◆
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2019年は、Iペアがトキ里山館で公開しながらの繁殖に再挑戦しました。
いずれも無精卵、破卵で孵化に至りませんでしたが、仮親として他ペアの雛2羽を育てあげました。
また、非公開の3ペアでは卵の巣外放棄、ヒナへの給餌不足が見られましたが、4羽の雛が自然育雛で育ち、人工育雛1羽を加え、計7羽の雛が育ちました。
■いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園でうまれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、
2019年6月7日の第20回放鳥で6羽、2019年9月27日、10月2日‐3日の第21回放鳥で 4羽が放鳥されています。
これまでで通算50羽のいしかわ生まれのトキたちが放鳥されました。
◆ 2018年の繁殖記録 ◆
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2018年は1、2月の大雪被害によるトキ里山館の修繕により、非公開ケージのみでの繁殖となりました。
また、2017年秋よりBOペアを新たに受け入れ、自然孵化、自然育雛を基本とした4ペアの繁殖に取り組みました。
ペアによって抱卵が不安定だったり、親鳥の雛への給餌が不十分だったりとトラブルもありましたが、飼育員のサポートにより、6羽の雛が育ちました。
■いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、2018年6月8日の第18回放鳥で2羽、
2018年10月15日‐16日の第19回放鳥で 1羽が放鳥されています。いしかわ生まれ同士のペアの繁殖も確認されました。
◆ 2017年の繁殖記録 ◆
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2017年には、Iペアはトキ里山館で公開しながらの繁殖、非公開ペアは自然孵化、自然育雛に挑戦しました。
何年も同じペアで繁殖を続けると、ペアの相性が悪くなっていき、オスがメスを執拗に追い回す行動がでてきます。
この行動を抑えるために、オスの羽を抜いたり、一時的にオスを隔離したりしました。このような取り組みの結果、6羽の雛を育てることに成功しています。
■いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、
2017年6月4日の第16回放鳥で4羽、2017年9月22日の第17回放鳥で5羽が放鳥されています。
野外での繁殖も軌道に乗ってきており、いしかわ生まれのトキたちも活躍しています。
◆ 2016年の繁殖記録 ◆
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2016年も自然繁殖に挑戦しました。Iペアなどで卵を捨てるトラブルもありましたが、結果的には5羽の雛が親元で巣立ちました。自然育雛で育った雛は野外でも適応力が高いといわれています。いしかわ動物園では2010年の繁殖期からの7年間で、通算50羽のヒナを育てることに成功しています。
■ いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、2016年6月10日の第14回放鳥で4羽、2016年9月23日の第15回放鳥で4羽が放鳥されています。また、今年は2012年にいしかわ動物園で生まれたトキが、野外で繁殖に成功して雛を巣立たせています。
◆ 2015年の繁殖記録 ◆
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2015年は環境省の方針により、基本的に人が手を加えずに完全自然繁殖に挑戦しました。すると全てのペアで産卵直後や孵化直前に卵を巣から落とす行動や、抱卵放棄があり、予想以上に苦戦しました。結果的には4羽の雛が巣立ちを迎えましたが、できるだけ自然に近づけるようにと、3羽の雛が自然育雛で育ちました。来年以降は今年の反省点をふまえ、落ち着いて抱卵できるように植栽やケージの広さに手を加えるなど、エンリッチメント向上に努めていきたいと思います。
■ いしかわ動物園生まれのトキ放鳥 いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、2015年6月5日の第12回放鳥で2羽が放鳥されました。また、秋に予定されている第13回放鳥に向けて5羽のトキが訓練を受けています。
◆ 2014年の繁殖記録 ◆

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2014年は昨年までのIペアとAUペアに加え、新たに受け入れたAWペアの3ペアで繁殖に挑みました。全てのペアで自然孵化に成功し(一部人工孵化)、全てのペアが自然育雛にも成功しました。3ペアになったこともあり、
孵化数、巣立ち数とも過去最高の孵化数13羽、巣立ち数10羽でした。来年は更に人が関わらずに自然繁殖がうまくいくよう、環境を整えていく予定です。
■ いしかわ動物園生まれのトキ放鳥
いしかわ動物園で生まれ、佐渡で野生復帰訓練を受けたトキは、2014年6月6日の第10回放鳥で4羽、2014年9月26日の第11回放鳥で2羽が放鳥されました。また、過去に放鳥されたいしかわ動物園生まれのトキは、複数のペアを形成し、孵化には至っていないものの産卵が確認されています。
◆ 2013年の繁殖記録 ◆

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2013年は、石川で4回目の繁殖期となるIペアと、Xペアのオスを入れ替えたAUペアがそれぞれ自然繁殖に挑戦しました。Iペアには昨年同様ヒナを入れて嘴打ち卵を守る作戦を、のべ3回実施し、内1回で成功しています。失敗の原因はヒナを入れるタイミングと、ヒナの鳴き声の強さのようなので、来年以降さらに技術に磨きをかけていきます。一方のAUペアは国内最多タイ記録となる4羽の自然孵化、自然育雛に成功しました。この調子で来年も自然繁殖に成功することを願っています。
■ いしかわ動物園生まれのトキ放鳥
2013年9月27日の第9回放鳥では、いしかわ動物園生まれのトキ3羽が放鳥されました。また、春にはこれまでに放鳥された石川生まれのトキが自然下で営巣、産卵したことも確認されました。残念ながら野外繁殖は失敗に終わったようですが、来年以降に期待がかかります
◆ 2012年の繁殖記録 ◆

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2012年の繁殖記録 トキの繁殖は、自然フ化・自然育雛を原則とすることが環境省の方針ですが、どうしてもフ化の際に親鳥が卵を構い過ぎて壊してしまうことがあります。そこで今年はあらかじめ採卵して人工フ化したヒナを巣に戻すことで、2個目以降の卵を安全にフ化させる試みに挑戦しました。結果は大成功。親鳥はヒナの世話に忙しく、ハシウチの始まった卵を過剰につつくこともなく、無事自然フ化に成功しました。ただ、その後の育雛でうまくいかないこともあり、途中から人工育雛に切り替えたり、一時的に保護して戻したりと、まだまだ完全自然繁殖には成功していません。来年はいろいろな問題を解決して、自然繁殖に挑戦していきたいと思います。
■ いしかわ動物園生まれのトキ放鳥
いしかわ動物園で生まれ、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションで野生復帰訓練を受けていたトキが、第6回放鳥(2012年6月8日:1羽)と第7回放鳥(2012年9月28日:5羽)で野生復帰しました。厳しい自然界をたくましく生き延びて、来年の繁殖期で子育てをしてくれることを願っています。
◆ 2011年の繁殖記録 ◆


佐渡で野生放鳥されたトキのうち、親鳥に育てられた(自然育すうの)トキは、つがいになりやすい傾向があることが分かってきました。 いしかわ動物園では2011年の繁殖期に、人工孵化したトキのヒナを親鳥の巣に戻す自然育すうに挑戦し、4羽の巣立ちに成功しました。 それとは別に人工育すうで5羽が成育し、この年は合計9羽のトキが繁殖しました。
◆ 2010年の繁殖記録 ◆



トキは一度に4個の卵を産みますが、親鳥に任せておくと2羽程度しか育ちません。鳥類には産卵中に卵が失われると補充産卵する性質があるため、 一度産んだ卵をすべて取り上げ、2回産卵させて合計8個ほどの卵を得ることができます。 2010年はIペアから11個、Xペアから8個を採卵し、それぞれ4羽、合計8羽のヒナが人工繁殖に成功しました。
いしかわ動物園では、2010年1月8日に新潟県の佐渡トキ保護センターから分散飼育を目的として2ペアを受け入れました。 それぞれIペア、Xペアと呼ばれ、2010年より繁殖に成功しています。 Xペアは繁殖率が低かったため、2013年よりオスを交換しAUペアとして繁殖に挑戦していました。 2020年にIペア、AUペアはペア解消となり、2021年現在はAWペア(2014年受け入れ)、BOペア(2017年受け入れ)、 CJペア(2020年受け入れ)の計3ペアで繁殖しています。