園内ガイド

展示動物紹介

郷土の水辺 Ishikawa's Waterside

郷土の水辺の写真

 石川県の水辺の環境を上流から河口にわたって再現しています。太陽の光をふんだんに取り入れる構造になっているので、天候や時間帯によっても水槽の中の様子はずいぶんと変化します。

トミヨ Pungitius sinensis

トミヨの写真

外国
語の
表記
Chinese Stickle-back
刺鱼
가시고기
分類 トゲウオ目 トゲウオ科
分布 福井県以北の本州と北海道
保護 石川県指定希少野生動植物種

 流れのゆるやかな冷たい水にすんでいて、春から夏にかけて水草などを使ってピンポン玉のような形の巣をつくります。地下水の減少が原因で、石川県ではもっとも絶滅の危機にある淡水魚といえます。

巣をつくるトミヨのオスの写真 巣をつくるトミヨのオスの写真 トミヨのオスと巣

動物園で展示しているトミヨは、すべて水槽内で繁殖させたものたちです。展示水槽では数が多く繁殖は難しいため、産卵専用の水槽でトミヨを増やしています。繁殖期には真っ黒な色に変わった雄が、水草を集めてきれいな丸い形の巣をつくります。

ホクリクサンショウウオ Hynobius takedai

ホクリクサンショウウオの写真

外国
語の
表記
Hokuriku Salamander
北陆山椒鱼
호쿠리쿠도롱뇽
分類 サンショウウオ目 サンショウウオ科
分布 富山県と石川県
保護 IUCN(EN)

 いしかわ動物園では、平成12年に初めて飼育下繁殖に成功しました。野外での保護活動も行われていますが、生息地が人間の生活場所の近くにあるため、開発などの影響による減少もすすんでいます。

ホクリクサンショウウオのすむ環境の写真 ホクリクサンショウウオの卵の写真 ホクリクサンショウウオの上陸したコドモの写真

ホクリクサンショウウオは、冬になると流れの緩やかな水路や湿地に集まって産卵します。ふ化した幼生たちは外鰓(がいさい)と呼ばれるエラをもち、しばらく水中生活を送った後、初夏までには上陸して森へと帰って行きます。

アベサンショウウオ Hynobius abei

アベサンショウウオの写真

外国
語の
表記
Abe's Salamander
河氏小鲵
아베도롱뇽
分類 サンショウウオ目 サンショウウオ科
分布 兵庫県、京都府、福井県、石川県
保護 国内希少野生動植物種
環境省(CR)
IUCN(EN)

 いしかわ動物園では、平成23年に初めて飼育下繁殖に成功しました。動物園の周辺の里山にも生息していますが、繁殖場所は狭い範囲に限定されていて、今後は生息地全体を保護してゆく必要があります。

アベサンショウウオのすむ環境の写真 アベサンショウウオの卵の写真 アベサンショウウオの幼生の写真

福井県の研究グループによって、平成16年に石川県内にも生息していることが発見されました。アベサンショウウオは止水性のサンショウウオで、12月から1月にかけてため池や流れの緩やかな水路などで産卵することがわかっています。

ホトケドジョウ Lefua echigonia

ホトケドジョウの写真

外国
語の
表記
Hotoke Loach
斑北鳅
쌀미꾸리
分類 コイ目 ドジョウ科
分布 青森県と中国地方西部を除く本州、四国の東部
保護 石川県指定希少野生動植物種

 流れのゆるやかな小川や溜池、湿地などにすんでいて、ドジョウの仲間ではめずらしく中層付近で生活しています。いしかわ動物園内にあるビオトープ「メダカたちの池」では、自然繁殖にも成功しています。

ホトケドジョウのヒゲの写真 ドジョウのヒゲの写真 シマドジョウのヒゲの写真

英名にもあるようにホトケドジョウ(写真左)の口のまわりにあるヒゲの数は8本です。ちなみにドジョウ(写真中央)のヒゲは10本で、シマドジョウ(写真右)では6本となっています。